宮崎県 よだぎー、やっちょんな宮崎人 前編

元気じゃろか。
お国言葉とはまこつ不思議なもので、自然とその人柄を教えてくれちょる。うれしこつも悲しこつも方言で書かれちょると、標準語より心が伝わってきちょる。
宮崎弁には不思議な魅力がある。実にまったりとくる、のんびりした響きのするイントネーションからは、人の温かさが伝わってくる。
「よだきい」「のさん」「たまらん」
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こんな宮崎弁からも、その土地の人たちの大らかさが伝わってくる。
私にとって、「日向の国」宮崎は、太陽が燦燦と降り注ぐ南国リゾート地という印象が強い。
目を閉じると、美しい海岸の沿道にヤシ科のフェニックスが並び、浜木綿(ハマユウ)が咲く。ゆるやかな南風にのって、紺碧の海の香りと内地からのい草が伝わってくる。そんな印象だ。まさに太陽の国にふさわしい県である。

宮崎県といえばマンゴーや日向夏、きんかん「たまたま」などの特産物や、冷汁、ちきん南蛮、炭焼き地鶏、レタス巻きなどの郷土料理、「百年の孤独」より「マヤンの呟き」などの焼酎が有名である。
宮崎県を舞台にした映画では後藤久美子がマドンナ役を演じた「男はつらいよ寅次郎の青春編」や故黒木和雄監督の名作「美しい夏キリシマ」、伊藤英明さんと加藤あいさんの「LIMIT OF LOVE海猿」などがある。リュ・シオンさんの話題の韓国ドラマ「ウェディング」や伊東美咲さんと森山未來さんの「危険なアネキ」のロケ地にも使われている。
(参考)宮崎ロケ地年表http://www.kanko-miyazaki.jp/loca-navi/roca.html
また、高千穂は天孫降臨で知られる日本神話発祥の地であり、夜神楽というわれる伝統芸能が今なお息づいている。
今日はその宮崎のおかしな県民性を紹介したい。まずは恒例の落語は日向炭が出てくる「おくやみ」という上方落語を宮崎弁(西都弁)でお届けしたい。
テケェテン♪テン♪
庄屋さんが亡くなり、ご焼香に町の人々が次々にやっちくっ。そんげなかに嫁じょ想いの又吉さんちゅう人がいたそんげじゃ。
「こんちは」
「これはこれは炭屋の大将じゃろか、どんぞこっさん(どうぞこちらへ)」
「えれこつじゃったね。ちびっとも知らんで、ウチ今、炭団練っちょるとき、通りがかりに松さんから聞いて、びっくして駆けつけた。」
「うちの親父も酒飲みの極楽者で財産は日向炭4俵しか残さねかったんやっちゃが。でんうちの炭はそんじょそこらの炭と違ってまっこの山成、産地直送やっちゃが。そん分ちょっと値段もたけぇのやっちゃが。でんつこてみっとやっぱいいちゅうこつでうちの炭は評判なんやっちゃが。どんぞ皆さんも炭んこつなら任せてくり。値段は勉強すっわよ。」
「何だい、おれはお悔やみじゃろか。われんところショーベェ宣伝してひんもどったわ。」
「まぁまぁ。そんげ言わんで、あれでんほいっぺ言っちょるのやっちゃが。」
「最上屋の奥様。ゆーこす(こんばんは)。」
「これは、はなはだ些少ではねけんどん、どんぞご仏前に」
「これはこれはお門広いのに結構なおゆえ(お祝い)を。」
「ばかたん、「結構なおゆえ(祝)」と言うやつがあるか」
「すいません、ついうっかり」
「あ、向こうから来たつは又吉さんではねぇじゃろか」
(つづく)