九州珍道中 第1話 眠れぬ夜のフェリー

ボッボッボッボ
汽車の振動音のような音が絶えず私の枕もとで鳴り響く。
土曜の夜、私はフェリーの中にいた。
応援ありがとう♪〜さくちゃんの人気blogランキング
船は揺れないと聞いて安心していたが、あれは嘘である。
確かに波には揺れないが、エンジン音の振動は波の揺れに匹敵する。添乗員さんが船の中では「あまり眠れませんよ」と言っていた理由がわかった。
名門大洋フェリー、名門とついているがタイタニックの豪華客船とは大違いである。だが、妻は隣でぐっすり寝ている。この性格が羨ましい。
私が今回利用したのは、信州にある小さな旅行会社。その分旅費も格段に安い。まあある程度は覚悟していたが、やはり値段は正直である。
そして、夜明け前、船は新門司港についた。
門司港からはバスで福岡から大分へと移動する。
待っていたのは松本ナンバーのバス。驚いた。運転手が「九州支店の何々です」と言われ、またビックリ。こんな小さな信州の旅行会社に九州支店があったのか!
だが、何のことはない。
ここ数週間で何本もの九州ツアーがあり、その間、ツアー会社が伊那からバスを乗り入れて対応しているらしい。
この旅行会社、なかなかやる(笑)
そしてガイドも添乗員さんが兼ねている。お金がないからというが、この「ど根性精神」、私はちょっと好きだ。綾戸智絵さん似のそのガイドさん、かなりのベテランさんだが、人にモノを頼むときは、突然、可愛らしい声になり、ちょっと興奮すると「〜だに」と飯田弁が出て、なかなか面白い。
そんな彼女がいきなり
「皆さん、今回は長崎に行きませんが、旅に行って異国情緒を味わいたいなら長崎、南国を味わうなら鹿児島か宮崎ですよ。大分の田舎は長野と変わりありませんから。」
なんて正直な?ことを言うから聞いている私たちの方が冷や冷やする。今回の参加者はいつもよりかなり若かったらしく、新婚さんのようなご夫婦から若い女性同士、親子などバラエティに富んでいた。しかし、何といっても一番多いのは年配のご夫婦。
私たちもいずれああなるのだろうか。
しかし、バスの中で最も印象に残ったのは山梨から来た女性4人組。バス中、響き渡る声でずっとっ喋り続けていた彼女達に私は「かしまし娘」と命名してあげた(笑)。娘といっても私より一回り以上、年上の方であるが(汗)
そして雨の中、第一目的地『青の洞門』に到着
そんな中、全ての店はシャッターを閉めている。
豪雨で臨時休業か!?
いや、何のことはない到着時間が早すぎて、どこも店は開いていなかっただけだった(汗)
(つづく)