知られざる全国第1位を持つ 佐賀県
はなわの曲「佐賀県」でその名を全国区にした佐賀県。
だが、よく聞くとあの曲は佐賀を決して褒めていない。
私はまだ佐賀には行ったことがないので、佐賀について調べてみた。
佐賀といえば、吉野ガ里遺跡、有明海とムツゴロウ、葉隠れの里、佐賀錦、佐賀牛、大隈重信、有田焼、伊万里焼、のりなど浮かぶ。
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佐賀出身の有名人には維新の志士江藤新平や森永製菓の創始者森永太一郎、日本赤十字初代会長の佐野常民、作家の北方健三、漫画家の長谷川町子、歌手村田英雄、３２６（みつる）、俳優の白竜、中越典子、松雪泰子、プロ野球では元中日の権堂博、タレントのはなわ、江頭２５０らがいる。（敬称略）
佐賀が舞台となったドラマでは中居正広君の砂の器*1で千代吉と秀夫が歩いたのは佐賀の仁比山神社であり、男はつらいよ42作目、後藤久美子さんがマドンナ役で出ていた「僕の叔父さん」のロケ地が佐賀であった。
またＪ２のサガン鳥栖があるのも佐賀県である。
佐賀県といってまず思い浮かぶ人物は大隈重信である。
早稲田大学の創始者であり、憲政党をつくり日本初の政党内閣を作った人。
この大隈重信の人柄を表す言葉として、
「なにごとも楽観的にみること、怒るな、貪るな、愚痴をこぼすな、そして、世の中のために働け」というのがある。
彼は滅多に腹を立てず勤勉であったという。
当時上級官僚の象徴でもあった髭も「髭は戦争の道具みたいなものだ、武装的なものだ。」といって自分だけははやさず、明治維新から第１次世界大戦まで日本の政治を引っ張ってきた。
私の中の佐賀県人はこのように質実剛健、自分に厳しく他人にも厳しいイメージがある。
もうひとつ印象にあがるのが葉隠れの里である。
葉隠の里というと下山天監督の映画忍*2の鍔隠れ（つぼがくれ）と間違える人もいるかもしれないが、あちらは伊賀（三重県）である。
それでは、よく耳にする葉隠れとは何かというと、今から約300年前、佐賀藩士山本常朝が佐賀藩に伝わる『武士はいかにあるべきか』をまとめた古典である。
「武士道というは死ぬことと見つけたり」
この言葉はあまりにも有名で、葉隠＝腹切と思う人がいるかもしれないが、その内容は太平の世で戦国侍の気風が失われつつあることを嘆き、正しい奉公人・侍の姿を真摯に追い求めた本である。
奉公を会社、切腹を退職と考えれば現代社会にも十分に通用する。
人への忠告のしかた、訪問の心得、議論のしかた、酒席の心得など身近かな気配りについても述べられていて、現代社会でも参考になる。
その佐賀県人の県民性はまじめで頑固一徹，几帳面で少し融通がきかないと聞く。
佐賀では変人やアホウを意味し、頑固で付き合いにくい人間を「ふうけもん（風狂者）」とか「いしゅうもん（異国者）」という。
江戸時代、佐賀鍋島藩は他の藩との交流を制限したため、目線が自分の内面に向かい、他の県の人から見ると付き合いにくそうな性格を生んだともいわれている。
但し、福岡県に近い北部（唐津、伊万里）は明るく、物わかりのよい人が多い。
男性は口下手だから愛情表現は苦手だが、意外と情熱的であるという。
女性は「佐賀美人」の言葉通り、魅力的な人が多く、おとなしそうに見えても、しっかりもので辛抱強いという。（県民性と地域性―佐賀県より引用）
全般的に質素で倹約家が多いそうだ。
ある調査によると冠婚葬祭の引き出物にかける金額が日本一低い県は佐賀県だという。
そのため、貯蓄率は比較的高く、純貯蓄（貯蓄−負債）は九州では福岡に次いで2位である。
また気が短い人が多いらしく、人口10万人当たりの交通事故発生件数が全国1位（平成14年度）という不名誉な記録もある。
また他にも佐賀県が全国1位となるのは、
- もち米の生産量37,100ｔで全国１位（平成15年度）
- 二条大麦の作付面積は12,300haで全国1位（収穫量は栃木に次ぐ2位）
- ハウスミカンの栽培面積243ha・収穫量11,700tともに全国1位
- 人口10万人当たりの薬局数52.7で全国1位
- 県民１人１日当たりごみ排出量783ｇで全国1少ない
- 年間総労働時間は1956時間で全国1位（平成14年）
と目立たないようで、佐賀県は全国1位のものがたくさんある。
そんな佐賀県人と付き合うには、地味で真面目な生活を美徳とする彼らとは地味で真面目に付き合い方をしよう。
有田焼の工場で一緒に有田焼を学びながら、お茶をすすり、倹約の美徳について語ってみるのはどうだろうか。
「礼に始まり礼に終わる」
未だ葉隠れの精神が残る彼らはとても礼儀正しい人たちであるが、一度、打ち解ければ案外付き合いやすい人たちなのである。
