介護に使える古武術と太極拳

sakurasaku20052008-01-30

試験の日、先生が大事なことを教えてくれた。
太極拳二十四式の型にはそれぞれ意味がある。だが、その基本は力を抜くこと。相手の力を受け流し、最小限の力で相手を倒す。それが太極拳の極意だ。今日はそれ極意のひとつを教えてあげよう」
「たとえば太極拳では常に手と足は同じ方向に動きながら体重移動するのはなぜだかわかるかな?」・・・会場・・・・シーン
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「それはね。手と足が同じ方向に動くのは内蔵に負担がかからないからなんだ。」
例えば、一般的には歩くとき、手を元気よく振って大股で颯爽と歩くのがいいと言われるよね。だけど知っているかい。忍者がなぜ百里もの距離を1日で歩けたかを。勿論鍛え方が違っただろう。だけどそれは彼らが疲れない歩き方を知っていたからなんだ。
彼らは重心を前に倒し、前傾姿勢で膝の力を抜くようにして歩く。踵を蹴って歩くと力が入ってすぐ疲れてしまうが、その歩き方だと自分の体重を利用して最小限の力で歩くことができる。
昔、かご屋はね。右足と右手を同時に出して歩いていた。これは「ナンバ歩き」といってね。忍者と同じ歩き方だ。
エッサー、ホイサー、エッサホイサッサ・・先生はそう言ってかごやの真似をしてくれた。
右足と左手を同時に出す歩き方だと籠が揺れて、乗っている人が酔っちゃうせいもあるのだけれど、一番はね。この方が内臓に負担がかからないんだ。交互に振ると内臓がねじれる。だから、長距離走るとお腹が痛くなったりする人がいるんだよ。陸上の末續慎吾選手はその歩き方で驚異的なスピードを出したよね。」
たとえ体力的に劣るものでも、こうして力の使い方を知ることで、強い力のものと対等、いやそれ以上に戦うことができるんだよ。
もうひとつ、それと同じ力を使った介護の方法を教えておこう。
ごめん、うまく書けないので詳しく知りたい人はこちらhttp://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2651dir/n2651_03.htm
これはね。イエマフェンゾン(わからない人ごめん、太極拳の型のひとつ)の手の動きと一緒だ。手のひらを返す力を使えば、寝たきりの人を片手で簡単に起こすことができる。
これをね。力だけで持ち上げようとすると、腰に負担がかかって腰を痛める。介護する相手の動きを最大限に利用しながら、理にかなった動きをすることで無理なく介助できる。これは古武術の技なんだけど、介護の場でもこうした技は見直されてきているんだよ。
いいかい、いつか指導者になるだろう君たちには言っておく。太極拳は技が出来ればいいってものじゃない。こうした考え方を知って、伝承していくのが君たちの使命だ」
僕は正直、先生のこの話に感動した。さらに、お猿の籠屋のマネまでして受講者をリラックスさせてくれる気遣いに感謝した。
だから忘れないうちに酔っ払いだけどみんなに伝えるために書こう!(^^)!