ELちゃんのクリスマス 第24話(最終話)

涙ぐむタローに、大天使ミカエルは優しく微笑んだ。
「大丈夫よ、タロー。もっと自分を信じてあげなさい。困難にぶちあたったとき、励まし、勇気づけてあげられるのは、あなた自身しかいないのです。エルとサー・カエルはあなたの心が作りだした天使。あなたは一人でも、できるはずです。」
そう言い終えると、大天使ミカエルは手からたくさんの金の粒を出し、空にふりまいた。
みるみるうちに金の粒は空に広がり、黄金の草原となった。
目の前に雲海が広がり、その合間から朝陽がみえる。
雲の海をゆったりとサー・カエルが泳いでいた。
僕はカエルのお腹のなかにいたのか・・





タローは公園のベンチでうなだれたまま、眠っていた。
時計の針は午後5時を指している。あれは夢だったのだろうか。
「帰らなきゃ」ふらふらとタローは起き上がり、家に向かった。

「お帰りなさい、パパ」
玄関を開けると、元気な声と最高の笑顔。
「メリークリスマス!」タローは微笑む。
ここにも天使はいた。