殯（もがり）の森

話題の映画を見た。
カンヌ映画祭でパルムドールに次ぐグランプリを取った作品「殯の森」
BSがこんな早く放送してくれたのを見れるなんて私はツイている♪
舞台は奈良市郊外のグループホーム。
グループホームで暮らす認知症の男性とわが子を亡くした介護士の女性が、男性の妻の墓を探して森の中をさまよう物語。
まあ、いいではありませんか♪甲信越ブログランキング
この作品は・・・・・深い。
奈良県東部の山間地を使った撮影。豊かな自然を見ているだけで引き込まれる。
正直一度見ただけではよくわからなかった。だけど、心の奥に何かが、ど〜んと響く。
背景に音楽があまりないところもいい。
ヨーロッパ人の感性はさすがと思う。人間の生と死の接点をテーマにした作品なのに美しい。

河瀬直美さんは受賞のインタビューで「人生には痛いこと、混乱することがいっぱいある。その癒しをお金とか服とか車とか形あるものに求めようとするけど、満たしてくれるのはほんの一部」とおっしゃっていた。
彼女は自らの介護経験からこの作品を作った。３８歳と若さで多分、大変な苦労をされたのだろう。作品にその軌跡が伺える。奈良の女性は辛抱強いって感じがした。
この映画は人間の感情を大切にする、魂そのものを大切にすることを訴えたいそうだ。

殯（もがり）とは
敬う人の死を惜しみ、しのぶ時間のこと
またその場所をいう。語源に喪あがり、喪があける意、か。

監督・脚本：河瀬直美
出演： うだしげき、尾野真千子、渡辺真起子、ますだかなこ
ホームページ：http://www.mogarinomori.com/