九州珍道中 第4話 鬼の階段はキケンな香り

鬼が一晩で作った石段とはどんなものだろうと最初は少し期待した。
しかし、その期待はすぐに戦慄へと変わった。
だいたい、その入り口に辿り付くまでの道まで急勾配だ。私は早くも息がゼイゼイ、少し酸素ボンベが必要だ。
そんな中、子供は元気だ。全速力で駆け上げって行き、見る見るうちに遠ざかっていく。彼には「後のことを考える」という思考カイロはついていないらしい。
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ある意味、無敵だ。そして、石段にたどり着く。
こんなものを石段と呼んでいいのだろうか。(写真を撮らなかったのが残念)
壁に近い急勾配の道に石が所々置いてあるだけだ。だいたい誰がこんな適当に置いた石を100段と数えたのだろう。ひたすらコケないように、右に左に足場を見ながら登って行く。
これはもう、登山というより、ロッククライミングだ。
嫌になっても、後ろから列をなして人がついてくるから、上りだしたら途中で引き返すことが出来ない(悲)片道切符とはこのことである。
それにしても団塊の世代組みは元気だ。どんどん先に登って行く。とても頭が下がる。私は普段ジムで何を鍛えたのだろう。
何はともあれ、一人のけが人もなく熊野魔崖仏から戻ってきたことは幸いだ。それにしても皆早かった。添乗員さん曰く、私たちのツアーは史上最速で降りてきたツワモノらしい。
収穫もあった。ここの茶店で入手した苦逃幸来鬼(クニサキオニ)である。
役の行者の建足祈願、足腰のお守りだそうだ。
仏の里国東の名物で全国でもここにしかないという。黒いのは鬼に見えるが、干した菱の実だそうだ。その名のとおり体の苦しみを逃がして幸せをもたらすお守りで、大変ご利益があるという。
足の弱い母にいいお土産が出来た。