福岡県 バリすごか福岡人 前編

sakurasaku20052006-07-26

今日のおかしな県民性は、牛心亭無楽さまのの筑前落語、大言酎兵衛”をお伝えしたい。

標準語バージョン

熊「ふぅ〜。今日の仕事は辛かったぁ〜、てか。おい、一杯頼むぜ。芋だ、芋をロックで。」
八「おっ、熊さんじゃないか。」(写真は関係ないがラベンダーと紋白蝶)
熊「よっ、八さん、一緒に飲もうぜ。 それにしても暑いなぁ。もう夏だよ、夏。」
八「ところで、お前さん、瓦版屋に臨時雇に行っていると聞いたが、本当かぁ?」
熊「瓦版屋なんていうんじゃねぇや。マスコミといってくれ。マスコミ」
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そこに焼酎大好きの長屋のご隠居が表れる。
ご隠居「おろ。熊さん、八っあん、飲んでいるかい?」
二人「これはご隠居。お久しぶりです。」
ご隠居「ん?二人とも、銘柄は、何飲んでるの?
熊「はい、『イモもろみ芋』です。」
ご隠居「熊さん、八さんも目利きだねぇ。“筑前人が刮目した芋焼酎”だよ。」
八「旨いっす。でも、暑いので、ロックでキュッ〜〜〜!と。」
ご隠居「焼酎に岩氷かい?それはいけないね。お湯割りでひぃーひぃー汗ぇかいて飲むのが、心意気ってものだよ。他の焼酎なら、何で飲もうが構いやしないが、芋はお湯割りでないといけないよぉ。」
八「いえね。ちょいと暑さが半端じゃないもんっすから。」
焼酎飲んでの浮世話といいますと、色恋沙汰や人の悪口など相場は決まっていますが、ご隠居の話は政治が大好き。熊さん、最近マスコミにバイトして、なまじ付け焼き刃の知識があるので、隠居に話を合わせました。
が、これがいけなかった。ご隠居、お国を大事にしない者は非国民。外来語なんか使いのは外国の密偵だとまで言い出した。そこで八さん話を割って
八「ちょいと済まねぇ。筑後の焼酎で・・・ほれ、そこの・・・『筑紫次郎』って麦いっぺぇ“岩氷”でくんな」
ご隠居「おお、八さん。お目が高いじゃぁないか。わが故郷の名品だな。まさに國酒だよ。」
八「國酒?その“こくしゅ”ってのはどういう意味なんですか? あっし文字はからっきしダメでして。」
ご隠居「國酒かい。“國の守り”と書いて、こくしゅ。焼酎も國を守ること、愛國心と深く通じているってことだよ。」
八「で、この『筑紫次郎』ってのは人の名前ぇでやんすか? 面白ぇ名前ぇだぁ。」
ご隠居「これはな、川の名前なんだよ。あのあたりでは、筑後を流れる一番大きな川だな。それをその土地のもんは『筑紫次郎』と言い習わしておる。」
八「川の名前ぇですかい。そりゃぁ、知らなかった。ご隠居は、やっぱりお詳しいやぁ。」
ご隠居「そういえば、あの川に「次郎大堰」ってぇ大きな水溜を普請するってぇ話があったな。」
八「あっしもその話は聞きやした。なんでも川沿いの町人たちが筵旗押っ立てて、奉行所まで、腕ぇ振り上げて、抗議に練り歩いたらしいじゃぁないですか。」
ご隠居「その町人らの心意気や良しだ!だいたい、なんだね。幕閣は・」
八「あのぉ・・・ご隠居ぉ・・・さっきは、その“國守”ってことでご政道に楯突いちゃならねぇとおっしゃったが、そのぉ・・・川のことならご政道に楯突いていいんですかい?」
ご隠居「八っあん。まぁ、そんなに、カタイことをいっちゃあ〜いけないよ。所詮、酒の席だ。私はその件の杜氏者じゃぁないんだよ。」

博多弁バージョン

熊「ふぅ〜。今日の仕事は辛かったばい。おい、一杯頼むぜ。芋ばい、芋ばロックで。」
八「おっ、熊しゃんやなかか。」
熊「よっ、八しゃん、一緒に飲むばい。それにしても暑か。もう夏ばい、夏。」
八「ところで、あんしゃん、瓦版屋に臨時雇に行っとると聞いたが、ほんまやろか?」
熊「瓦版屋言わなかでくれんね。マスコミといってくれんね。マスコミ」
そこに焼酎大好いとぉの長屋のご隠居が表れるとよ。
ご隠居「あら。熊しゃん、八っあん、飲んでいますか?」
二人「これはご隠居。お久しぶりばい。」
ご隠居「ん?二人とも、銘柄は、なん飲んでいるけんすか?
熊「『イモもろみ芋』ばい。」
ご隠居「熊しゃん、八しゃんも目利きやね。“筑前人が刮目した芋焼酎”ばい。」
八「旨いばい。だけん、暑かけん、ロックでキュッ〜〜〜!と。」
ご隠居「焼酎に岩氷と? それはいけなかね。お湯割りでひぃーひぃー汗ぇかいて飲むのが、心意気ってもんばい。他の焼酎なら、なんで飲もうば構いやしなかが、芋はお湯割りでなかといけなか。」
八「すまんと。ちょこっと暑さが半端ではなかもけんすから。」
焼酎飲んでの浮世話とよかますと、色恋沙汰や人の悪口やらなんやら相場は決まっておるっちゃけど、ご隠居は大の政治話好いとぉ。熊しゃん、こん前マスコミにバイトして、なまじ付け焼き刃の知識があるけん、隠居に話ば合わせましたとよ。
が、これがいけなかったとよ。
ご隠居、お国ば大事にしなか者は非国民。外来語なんか使いのはよそん国の密偵だとまで言い出したとよ。そいで八しゃん話ば割って
八「ちょこっとごめんなさい。筑後の焼酎で・・・ほれ、そこん・・・『筑紫次郎』って麦一杯“岩氷”でくれんね」
ご隠居「おお、八しゃん。お目が高いやぁなかか。わが故郷の名品だな。まさに國酒ばい。」
八「そん“こくしゅ”ってのはどうゆう意味なんやろか? うちは、文字はからきしダメか〜。」
ご隠居「國酒とね。こくしゅは“國の守り”と書いて、こくしゅ。焼酎も國ば守ること、愛國心と深く通じとるってことばい。」
八「で、こん『筑紫次郎』とゆうのは人の名前やろか? おかしか名前ばい。」
ご隠居「これは、川の名前なんばい。あんあたりでは、筑後ば流れる一番大きな川で。そればそん土地のもんは『筑紫次郎』と言い習わしよるとよ。」
八「川の名前やろとね。それは、知らなかったとよ。ご隠居は、やっぱりお詳しいやね。」
ご隠居「そういえば、あん川に「次郎大堰」とゆう大きな水溜ば普請するとゆう話があるとよ。」
八「うちもそん話は聞きましたとよ。なんでも川沿いの町もんが筵旗押っ立てて、奉行所まで、腕振り上げて、抗議して練り歩いたらしいやぁなかやろか。」
ご隠居「そん町人らの心意気はよか!だいたい、なんやね。幕閣は・」
八「あんぉ・・・ご隠居ぉ・・・さっきは、そん“國守”ってことでご政道に楯突いてはいけなかとおっしゃったが、そんぉ・・・川のことならご政道に楯突いてよかんやろか?」
ご隠居「八っあん。まぁ、そぎゃんに、堅いこと言ってはいけなか。所詮、酒の席やけん。うちはそん件の杜氏者ではなかけんす。」
(つづく)