嫌われ松子の一生の感想

sakurasaku20052006-06-24

監督・脚本: 中島哲也
原作:山田宗樹嫌われ松子の一生」(幻冬舎文庫刊)
出演:中谷美紀瑛太伊勢谷友介香川照之谷原章介市川実日子柄本明柴咲コウ劇団ひとり土屋アンナ木村カエラ、官藤勘九郎武田真治山田花子蒼井そらカンニング竹山、ゴリ他
劇場:長野千石劇場3
ホームページ
http://kiraware.goo.ne.jp/
先日、「嫌われ松子の一生」を見た。
原作は読んだことがないのだが、下妻物語中島哲也監督がどんな映画を作るのか興味があったからだ。
で、感想は・・・・・
今日のさくちゃんは何位だ〜人気blogランキング
この作品は子供の頃から病弱な妹ばかり可愛がられることに劣等感を持った女性が大人になってからもその劣等感が抜けず、紆余曲折の人生を歩むという物語である。
主人公が女性なだけに女性の視点から見ると面白いのかもしれない。
瑛太(主人公の甥)的視点で見ると、かなりビビョーな映画だ(^_^メ)
みどころはある。
さすが、富士フィルムの写るんです」SMAP出演のNTT東日本のCMガッチャマン、サッポロ黒ラベル温泉卓球を作った人気CMクリエーターの中島哲也さんが作っただけあって、映画とは思えないほど細かいコマ割とCGが駆使されていて、そういった部分ではよく出来ている。
出演者の表情も劇画調でなかなか面白かった。
特に主人公松子が父を笑わせるためにはじめたタコの口のような表情は印象に残った。子役の奥ノ矢佳奈ちゃんと中谷美紀さんのそのタコ顔はまだ脳裏に残っている。
脇役としてカンニング竹山やゴリ、劇団ひとり山田花子らのお笑い陣もいい味を出していた。(それぞれ校長先生、アパート住人、愛人のサラリーマン、アパート住人、囚人として出演)
ネタバレになるのでいえないが、瑛太君の恋人役の柴咲コウの電話での一言も良かった。
でも、なんでだろう。下妻物語のような見終わった後の爽快感がない。
劇中、デパートの屋上の遊園地はディズニーランドを思わせる風景となっているし、突然それがミュージカルに変身することもある。
「愛を求めながらも不幸になっていく女性の一生」という、ジメジメ暗くなりがちな物語をポップに明るく描く中島監督らしい演出で私は好きだ。
しかし、それなら、なぜラストまでそれを貫かなかったのだろう。
映画の最後がちょっとジメジメしたところに私は不満を覚えた。
勿論、それが原作通りなのだろう。
だが、どうせ中島哲也監督が作ったのなら、最後もミュージカル調で、松子からお父さん、妹、兄、そして松子と係わった人たち全員が生き返って、カーテンコールを受けるような明るい終わり方の方が良かったと思う。
ちなみに妻はこういう子供の頃背負った心の傷が大人になって爆発すると、豪憲くん殺害の畠山鈴香容疑者のような人を作ってしまうんだと一人感慨にふけっていた。私もあんなに多くの人から愛されてみたいともいっていた。贅沢な悩みだ。
この作品、原作を読んで感動した人や瑛太君が好きな人にはお薦めだ。私のように下妻物語を見て期待していく人は少し期待を裏切られるかもしれない。