ナルニア国物語第1章ライオンと魔女の感想

sakurasaku20052006-03-26

監督:シュレックアンドリュー・アダムソン
出演:ティルダ・スウィントン、ウィリアム・モーズリーアナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー [声優]リーアム・ニーソン
原作:C.S.ルイス「ナルニア国ものがたり
劇場: 長野千石劇場1

公式サイト: http://www.disney.co.jp/movies/narnia/shell_content.html

金曜日の夜、1000円で映画が見ることができたので、アンドリュー・アダムソン監督の話題の映画「ナルニア国物語第1章ライオンと魔女」を見た。
原作の『ナルニア国ものがたり』は、英国人作家、C.S.ルイスが1950年に発表した、全7巻からなるファンタジー小説である。
神秘の国、<ナルニア>の2555年間の物語を、壮大なスケールで綴った年代記で、トールキンの『指輪物語』と、英国ファンタジーの双璧を成している。
本作品は全米をはじめ45カ国で公開され、ハリーポッター炎のゴブレットを抜いてオープンニングナンバー1ヒットした作品である。
私の見た感想は、安心して見れるファンタジーということである。
衣装ダンスの扉をあけると、
そこに誰もが見たかった、誰も見たことの無い世界
この物語でまず触れなければならないのはナルニア国の大帝の息子アスランである。
アスランとはトルコ語でライオンを意味し、ナルニア創造者の息子であり、神出鬼没の森の王である。
彼をただのライオンじゃん(笑)、などといってはいけない。
ときにみなの行動を厳しく諌め、時に自分を犠牲にして仲間の命を守るという行動はまるでイエス=キリストのようである。
作者のC.S.ルイスが熱心なクリスチャンということで、イエス=キリストを獅子に置き換えて表現しているところがこの作品の特徴である。
だから、物語の中では善と悪が明確にわかれ、勧善懲悪の思想が貫かれている。
ところで、私は最初、なぜ動物が喋るのか、ちょっと(かなり)違和感があった。
さらに伝説の大帝の息子ってどんな人なのだろうと想像力を膨らませて期待していたので、アスランがはじめてあらわれたときは
「何だこのライオンは」
と思ったりもしたのだが(汗)、物語が進んでいくにつれ、だんだんアスランのことが好きになっていく。それだけ彼は物語の中でだんだんと魅力的になり、とてもCGで出来ているとは思えないほど躍動的である。(声もいい)
そして、もう一人は何といっても雪の魔女である。
この雪の魔女ジョイディスをイギリスの実力派俳優ティルダ・スウィントンが素晴らしい演技で魅了してくれる。
あの氷のような目、笑わない表情、
100年もの間春の来ないナルニアを支配する冷徹な雪の女王にぴったりである。
私は彼女をこの作品ではじめて見たが、その演技力は素晴らしい。
この作品についてのインタビュー番組で彼女が笑ったところを見たが、意外に可愛らしくそのギャップもいい。
欲を言えば、物語の主人公であるペベンシー4兄弟がいまひとつ魅力的に映ららないということだ。
長男のピーター(ウィリアム・モーズリー)はかっこいいし、末女のルーシー(ジョージ・ヘンリー)はかわいらしいのだが、なぜ彼らがアダムとイブの息子と娘といわれるかがわからなかったし、シュレックのようなインパクトもなかった。
ハリーポッターのときのように主人公に感情移入できなかったことが残念だ。
全体的に見ると『ロード・オブ・ザ・リング』ほどグロテスクなシーンは出てこないし、壮大な戦いのシーンはあるものの、血が噴出して思わず目を覆いたくなるような場面も無い。私は人が死なない作品が好きだから、好きな作品の部類になる。
ただ、わくわくどきどきするかというと、そうでもない。
物語はたんたんと進んでいって気がついたらエンディングという感じだ。
勿論、見所はある。ピーター率いるアスラン軍5000と白い魔女軍1万5000の戦いはSFXを駆使した壮絶なシーンにしあがっている。このシーンだけは私も胸躍らせて一緒に「いくぞ」というような気持ちになった。
ただ、ストーリーは純然たる童話的な部分があり、毒気はない。だから見る人によっては物足りなく感じる人もいるはずだ。
指輪物語』『ゲド戦記』と合わせ、世界三大ファンタジーの一つとも言われる「ナルニア国ものがたり
ファンタジーや童話が好きな人は一度見ておく映画の一つであると思う。
個人的には現時点ではまだ傑作とはいえないが、続編の映画化が決定したようなので、私はその続編に期待したい。
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