エビフリャーなんていわない愛知県 後編
前回までのあらすじ
- いつもみゃあみゃあ喋るわけではない。むしろ「だがね」の方が使う。
- 愛知出身者にはイチロー、安藤美姫、浅田真央、加藤晴彦、加藤あい、竹下景子、瀬戸朝香、川島なお美、青木さやからがいる。
- 愛知というと名古屋人を思い浮かべるが、三河と尾張では県民性が違う。
名古屋人の気質は千石涼太郎さんの「出身県はなぜバレるのか」のよれば
- 無駄な金は使わない。
- とにかく値切る
- 一度貯金したら下ろさない
- 借金しない
となる。名古屋の人がどう思うかわからないが私は面白い表現だと思う。
今日のさくちゃんは何位だ〜人気blogランキング
2001年に日本企業で初めて営業利益１兆円を達成したトヨタ自動車を筆頭に，愛知に本拠を置く企業は，無借金経営を含め堅実さを重視する傾向が強い。
バブルの崩壊後も他の地域に比べ企業の倒産件数が少なかったのは、こうした無駄な金は使わない、借金しないという堅実な風土。他に惑わされず，自身のスタイルを貫く自立心旺盛な名古屋人気質を良く表している。
故に、名古屋人は借金が大嫌いだという。
だからクレジットカードを持つのも嫌い、支払いは現金が基本である。
だから彼らにとってのステイタスはゴールドカードではなく、図書館カードを指すらしい。（真説県民大図鑑）「本は買うものではなく借りるもの」この辺のしっかりした経済観念も名古屋人気質を示している。
また、彼らはこぎる（値切る）ことについても長けている。
そこには名古屋価格という言葉があるらしい。
これは「少なくとも何％かは値引きした価格」のことで、名古屋ではほとんど小売店に当てはまり、値引きなしの店を見つけるのは難しいくらいだそうだ。
彼らはおまけが好きなのも特徴だ。その典型的な例が喫茶店のモーニングサービスである。このモーニングサービスは名古屋からはじまった。通常はトーストにコーヒー、ゆで卵、他についてもサラダぐらいだが、名古屋ではピーナッツなどのお菓子や、アイスクリーム時にはおにぎりやうどん、茶碗蒸までつくという。
喫茶店数が東京都（26,049軒）に次いで国内2位（20,600軒）というから喫茶店は彼らの文化に根付いている。
また、名古屋では「一安二量三味」という言葉を使う。
名古屋人が買い物をするときの基準が、①に安さ、②に量、③に味だというのだ。
だからお土産も安くて量がかさばる「ういろう」や「守口漬け」の人気が高い。
こんな消費者として世界一合理的で優秀な名古屋人が、唯一、不合理な消費行動に出ることがある。結婚式である。
名古屋の結婚費用の高額さは福井県とならんで全国トップである。
なんと言っても驚きなのが、嫁入り道具を見せびらかすためにガラス張りのトラックで披露しながら運ぶという。
嫁入りはトラックの台数で競争するという。しかも、そのトラックはバックすることができない。
金銭面にかけて合理的な彼らがなぜ結婚式だけ、このような行動に出るかは私の調査ではわからなかったが、貯蓄は娘の婚礼で使い果たす、というのが名古屋の通説となっている。
そんな名古屋人と付き合うのは、まずその食文化を理解しよう。
味噌カツ、ミソ煮込み、ミソ田楽、どて煮、八丁味噌アイス。
彼らにとって赤味噌（八丁味噌）は欠かせない文化である。
名古屋名物といったらエビフリャーだけではない。
ラーメンといったら「寿がきや」だし、そのエビフリャーを使った天むすやきしめんに台湾ラーメン、ひつまぶしや鬼まんじゅう、あんかけスパゲッティなど独自の食文化は多数ある。
たまにご飯が味噌味になった味噌オムライスやスペゲティに小倉あんこと生クリームをのせた抹茶スパなど私には理解できない食べ物もあるが、黙って食べてみよう。
さらに、彼らは地元大好き人間である。
100万以上の大都市圏にしては転入者が1.82％（全国平均2.52％）というくらい地元の人間が多い。逆に言うと排他的な所はあるがその辺は事前に理解しておこう。
当然、野球といったらドラゴンズ。
新聞は中日新聞、車はトヨタ、金を預けるなら東海銀行（現三菱東京ＵＦＪ銀行）、電気は中部電力、ガスは東邦ガス、移動は名古屋鉄道、買い物は松坂屋と覚えておこう。*1
大都市にしては夜9時にはネオンが消えてしまうので、飲みに行くなら早めに行こう。女性と食事する場合、ここでは「ワリカン」はありえないので、男性諸氏はその辺も覚えておこう。
値切りにかけては天才的な彼らなので、交渉の際は試供品をそっと鞄に忍ばせよう。
一見、おだてにものらず、金にも細かい彼らは付き合いにくそうに見えるかもしれないが、その実、質実剛健でカッコなど気にしないから、流行を追うこともない、きちんとした個を持った創造的な人たちである。
東京の情報を取捨選択しながら、態度を決めてきたのが彼らである。
あなたが、もし名古屋で売れる商品を作ったら、きっとそれは全国いや世界に通用する商品だろう。
彼らの独自の文化を理解し、彼らの生活行動を学ぶことであなたはきっと不況下を生き抜く逞しさが身につくことだろう。
愛知の県花：カキツバタ／県木：ハナノキ／県鳥：コノハズク／県魚：クルマエビ／県民歌：我らが愛知
