風林火山の山梨県 後編

前回までのあらすじ

山梨、八代、巨摩、都留の4つの郡からなる甲斐の国は、明治4年廃藩置県で「山梨県」となった。「やまなし」の由来は、くだもののヤマナシがたくさんとれたから、山をならして平地にした「山ならし」からきているという2つの説がある。
その山梨県は果樹王国で、全体の農業生産のうち58.3%が果実で占められている。主要品目のブドウ、モモ、スモモの生産量はともに全国1位。*1そのためか、耕地10a当りの農業所得を示す農業生産性は155千円で愛知に次いで全国第2位である。
生産性が高いのが山梨県農業の特徴である。
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また、水の産地としても有名で、富士山からの伏流水に水源を発する 8つの湧水池忍野八海など各地に豊かな水源を持ち、ミネラルウォーターの生産量は52万9388キロリットル(2004年)で全国第1位、日本のミネラルウォーター総生産の40%を占める。
伝統工芸品ではジュエリー、ワイン、絹織物、印章などが全国的に有名で、宝飾産業は全国一の生産を誇り、全国の貴金属製品製造品出荷額の31.3%のシェアを誇る。(2001年度)
山梨県人は仲間意識、タテ関係を重視するのも特徴だ。
山梨には親とは別に結婚からその他人生相談までしてくれる尊敬する年長者(親分または親方)がいて、親分子分制度というものがあるらしい。資源が乏しく土地が狭い山村でリーダーを立ててお互いに助け合う精神がそうした制度を生んだのだろう。
そのため親しい人には高価なお中元やお歳暮など贈るなど、交際費や交際時間は全国トップクラスである。
このように強い者には比較的従順で、公共的なものを大切にする気持ちも強い。
真面目な努力家で、努力も人並み以上するが、努力した分、成果も人の2倍、3倍要求するのが山梨県民だと聞く。
天真爛漫に見えて、実は現実主義者で経済観念もしっかりしている。
こんな山梨県人と付き合うには、まず彼らのヒーロー信玄公について話をしよう。武田信玄公の偉大なる功績を称えれば認められること間違いない。
その際、甲州法度まで覚えておけば完璧だ。
武田信玄公を腹黒で野心家などと誹謗中傷したらあなたの未来はない。
海音寺潮五郎さんの「天と地」を読んで、宿命のライバル上杉謙信を清廉潔白な人と褒め称えるのもよしておいた方が無難だ。
山梨県人は概してプライドが高いという。そのプライドを尊重してあげることが大切だ。敵にすると怖いが見方にすると心強い人たちである。
自県を関東圏と思っているから、「東京へ行くには横浜も千葉、甲府も変わりないですよ」というのは褒め言葉になる。
「行かず」と言われたら「行こう」という意味だし、「わにわにしちょ」と言われたら「遊ぼうよ」と言われているのではない。「ふざけるな」と怒っているのである。
負けず嫌いで敢闘精神に富み、一つのことに執念を燃やす。
努力して、一つのことに熱中して成功する人も多いのも特徴だ。
北に甲斐駒ケ岳,南に富士山と高い山に囲まれた自然豊かな山梨県
富士山の麓に広がる甲府盆地で育った人たちは県章に3つの人がたっているようにもともとは和をもって「人」を大事にする県民である。
「情けは味方、あだは敵なり」風林火山武田信玄が言ったように山梨県人と真摯に付き合えばきっと困ったときにあなたの見方になってくれるに違いない。

山梨の県花フジザクラ/県木:カエデ/県鳥:ウグイス/県獣:カモシカ/県民歌:群馬県の歌

*1:ぶどう53400t、2位長野県28100t、モモ53400t、2位福島県30700t、スモモ9200t、2位和歌山県4100t平成16年度実績