砂丘だけではない 鳥取県

私のいとこが今、鳥取にいる。
青く澄み渡る日本海、緑豊かな山々。
その自然豊かな鳥取で彼女は農業を学んでいる。
若くして志す道を持っているとは今時にしては珍しい芯のしっかりした娘だ。
私はその鳥取にまだ一度も行ったことがない。
鳥取県といって思い浮かぶのは、鳥取砂丘に、片山義博知事、二十一世紀梨、海の幸では松葉ガニぐらいだ。
あまり知らないと言った方が正直である。
そんななじみの薄い鳥取県について調べてみた。
鳥取県は、北は日本海に望み、鳥取砂丘をはじめとする白砂青松の海岸線が続く。南は中国地方の最高峰大山をはじめ山々が連なる自然豊かな県である。
鳥取県出身の有名人には歌手では沢田研ニさん(育った場所が鳥取)、東京スカパラオーケストラの加藤隆志さん、漫画家の水木しげるさん、司会者の小野やすしさん、お笑いでは宮川大介さん、安田大サーカスのヒロと団長、競馬に詳しい人なら騎手の角田晃一さんなどがいる。
境港市には水木しげる記念館水木しげるロードがありゲゲゲの鬼太郎目玉おやじ、ねずみおとこらが迎えてくれる。
国立公園大山だいせん)は中国地方随一の麗峰と呼ばれ、近くにはとっとり花回廊があり、大山の絶好の景観の中で四季折々の草花を楽しむことができる。
鳥取県人を良くあらわす言葉に「煮えたらそのうち食べますよ」というのがある。
自分では手を出さず、必ず相手に譲ってから食べることを言うそうだ。
その県民性は忍耐強く、自己主張が下手で引っ込み思案、保守的だという。
全体的に真面目で、人情味豊かな人が多いのだが、地域の結びつきが強く、郷土を愛する気持ちが強いため、他県の人からは閉鎖的に見られることもあるらしい。
県は大きく東部の因幡(いなば)と西部の伯耆(ほうき)に分かれ、雪の少ない伯耆の方が開放的で積極的な人が多いそうだ。
しかし、鳥取砂丘ラクダを放って「エジプト」と言ってみたリ、羽合町(現湯梨浜町)という名だけで田んぼに椰子のある街並みに、「はわい温泉」や「はわい風土記館」を作ってしまうユニークな町おこしを見ても、なかなかお茶目である。
大山はさわやかに晴れ(中略)すこやかに生きる幸せ。
県歌「わきあがる力」からは県民の自然を愛する気持ちと力強く逞しく生きる姿が伝わってくる。
また、県木はダイセンキャラボクという。初めて聞く木だ。
大山の頂上付近に群生し、国の天然記念物にも指定されている。
イチイの変種だそうで、本州の日本海側(秋田県乳頭山〜鳥取県大山)だけに分布し、果実は赤く熟し、果肉(仮種皮)は食べられるが種子は有毒だそうだ。
食べると怖そうだが、大山からの光景を一度は見てみたいものだ。
人口は約62万人。これは全国最小、県の面積も香川県についで小さい。
働き者の女性が多く、女性の就労率は福井県に次いで第2位、女性の労働時間は日本一長いそうである。
そのためか自動車普及率が高く、軽自動車は1,24世帯に1台あるという。
つまり5世帯のうち4世帯は最低軽自動車を持っていることになり、この数値は全国第1位である。(100世帯あたり81台の普及率)
全体的に地味なイメージを持つ鳥取県だが、自然豊かで環境破壊が進んでいない。日本一公害が少ない県である。
交通事故の発生件数、死傷者も全国最低レベルであり、住みやすい県でもある。
冒頭に述べたように、謙譲の精神を持ち、古きよき日本の心を持つ鳥取県人。
彼らとつきあうのはゆっくり時間をかけて相手の性格や風土を知っていくのがよいそうだ。
間違っても「鳥取砂丘以外に何あるの」なんて失礼な質問をしてはいけない。
(真説県民大図鑑)
なんといっても彼らはとてもいい人なのだから。

鳥取県県花:二十一世紀梨の花/県木:ダイセンキャラボク/県鳥:オシドリ/県魚:ヒラメ