小諸高原CGから富士山を見る

sakurasaku20052005-11-19

私はいま、小諸高原カントリークラブに来ている。
1番ホールから蓼科山八ヶ岳、そして向こうに富士山の頂がはっきり見える。
晴れやかな空とは裏腹に肌を突き刺すような風が体を突き抜ける。
ここは浅間サンラインから少し上った所にあり、見晴らしは良いが風が強く冷たい。
私は重ね着した上にセーター、その上に友人から借りたジャンパーを着ているが、それでも吹き抜ける風が有無を言わさず私に寒さを運んでくる。
今日はともとゴルフに来た。
「この木はなんていうんだ」
「これか!これはナナカマドだよ」
吹き抜ける風にすべての葉を奪われ、真っ赤な実だけ残したナナカマドの木がグリーンすぐ脇にあり、芝の緑の中でその赤が一際映えて見える。
「じゃあれはなんだ」
「あれはウメモドキだ」
親友(とも)の興味はすでにゴルフにない。
第1ホール、この寒さで体は縮こまりショットもぶれる。
私の球は私の愛情とは裏腹に「ファー」という大きな声とともに木々の中に消えていく。
ナナカマドの脇で松ぼっくりが私を迎えてくれた。
球の行方は球のみぞ知る。
今日は1日自然散策だ。
私の思いとは別にスコア表の数だけ増えていく。
今日はウォーキングに来たようだ。
眼前に広がる山々は葉がもぎ取られ茶褐色になった木とわずかに残した唐松の黄色い葉があるばかり。晩秋を思わせるその光景は東山魁夷の山渓秋色を思い起こさせる。
ゴンドラに乗りながらそんな秋の山の光景にじっくり楽しんだ。
このコースは距離はさほどなく、見晴らしがよいのでスコアは別にしてプレーは楽しめる。
それにしても良く歩き、そしてとても寒い日であった。