映画の原作春の雪

主人公松枝清顕が日露戦争没写真集「得利寺付近の戦死者の弔祭」の情景を思い浮かべる所から物語はじまる。
小説春の雪は三島由紀夫豊饒の海4部作*1の第1作である。
現世の営為を超えた混沌に誘われて展開する夢と転生の壮麗な物語。
私は映画を先に見てしまった。
だから清顕と聡子は妻夫木聡竹内結子が浮かんできてしまう。
しかし、三島由紀夫の持つ透明感のある文章と仏教の輪廻転生の思想があいまって、禁断の恋と言うテーマを純愛のように仕上げている作品だ。
読んでいて頭に情景が浮かんでくる。
続きはあとで。今日はこれでおしまい(^○^)

人間の情熱は一旦その法則に従って動き出したら誰もそれを止めることはできない。本多繁邦の述懐は清顕と聡子の禁断の愛を超え、愛の普遍性を唄っているようだ。 本多繁邦

*1:「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰