村上春樹さんの1Q84
肌寒い午後だった。
青いジージャンの襟をたて、足早に車に乗り込む。シートにゆっくり腰をおろし、目を閉じた。耳の奥でヤナーチェックのシンフォニエッタが聞こえてくる。
空には、月がふたつ浮かんでいた。僕の中で、あの物語が返ってきた。
- 作者: 村上春樹
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- 発売日: 2009/05/29
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はじめて、彼の作品を読んだのは、確か中学か、高校時代のときだった。
なぜか、とてもエッチな気分になったことを覚えている。
村上春樹さんの作品を読むたびに、幻想の世界にいざなわれ、そして混沌とした世界の中で夢をみる。
- 作者: 村上春樹
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僕はなぜ村上春樹さんに惹かれるのだろう
文章の美しさに惹かれるのか
そこに出てくる登場人物たちの想いに共感するのか。
それとも、あのもつれた複数の糸が一本の結びついていく物語性に惹かれるのか。
明確な答えは僕にはわからない。
ただ、彼の作品は、蒼いプールの底に沈んだ僕を、引き揚げてくれるような、そんなカタルシスを感じる。
「海辺のカフカ」の田村カフカさんやナカタさん、ねじまき鳥クロニクルの僕と綿谷さん、この物語では、天吾と青豆、ふかえりと老婦人
彼に作品に出てくる人たちはいつも何かが欠けている。
たぶん、それは、みんな何かに満たされないものを抱えながら、いまを生きているから。
最後に、この物語で僕がお気に入りの台詞をいいたい。天吾が父にいった言葉
人は誰かを愛することによって、そして、誰から愛されることによって、その行為を通して、自分自身を愛することを知るのです。
あなたは自分の愛し方知っていますか?
週末、寒そうなのでお大事に。今日も最後まで読んでくれてありがとう。
- 作者: 村上春樹
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