コズミックマインド

しばらく書きだめのブログを更新したい。今日は今更ながらお盆のときの話をする。
「コンピュータの世界は僕のやっている科学とは違って、全部予想できるはずなのに、なぜ不具合（バグ）は起きるの」友にそう聞かれ、答えに詰まった。
なぜ詰まったかというとこの質問の背景に、エンジニアなら冷静に分析し、100％完璧なプログラムを作るべきという意識を感じたからだ(笑)。
僕もその答えをずっと探しもとめてきた。そんな時元上司が貸してくれた本。

コズミック・マインド

一歩前に♪勇氣をありがとうさくちゃんの甲信越blogランキング（*^_^*

古いプログラムは無計画に縦横無尽に建て増し続けた奇妙な建築のようなもの。その事実を世間の人はほとんど理解しない。
人間が完全なプログラムを作れないのは予想を超えた思いがけない事態が起こるからだ。目の前の自空間の中にも無数の隠れた壁がある。
巨大なコンピュータとは宇宙意識（コズミックマインド）

この業界に従事したことがない人にこの感覚はわからないかもしれない。でも、僕はこの感性に惹かれた。
「退職者の記憶が唯一の頼りなの？」
「作った人間は結構覚えているものだよ」
物語にこんなやりとりがでてくるが、まさに現場はその通りだ(笑)
途中違う仕事もしてきたが、だいたい20年近く僕はこの仕事をして、いまだ大規模システムで不具合（バグ）がない完璧なシステムを作ったことがない。
かつてはこんな檄を飛ばしたこともある。
「エジソンだって、電球ひとつ作るのに1万回も失敗を繰り返したんだ。俺たちだってできるはず。システムエンジニアとしてのプライドを見せてみろ」
ただ、最近、人間だけがすべてのことを理解し、解明できるとう考えは人間の単なるエゴではなかろうか。
こう書くと科学者の彼に反論されるだろう。
「科学で解明されないことはたくさんあるが、いずれ科学が発達すればすべてのことが証明できるはず」それが科学者の信念だからだ。
ただ、僕は世の中に絶対ということはないと思っている。
いくら努力しても、わからないものはある。それを古来哲学者たちは宇宙といい、大いなる意志と呼んだ。経済で言う神の見えざる手も、同じことだ。
断っておきたいが人の努力を否定しているわけではないし、わからないことにわからないままにしていていいといっているわけでもない。
ただ自然のなりゆきもまかせることも必要じゃないかと感じることがある。
あなたはコズミックマインド・・信じます？