まんだらのこころ

爽やかな秋晴れの日。
おでこに冷えぴたを張っていたら、「インフルエンザと間違われるからやめなさい」と後ろから矢が飛んできた。今日は最近感動した話を書きたい。

「まんだら」のこころ (新潮文庫)

「まんだら」のこころ (新潮文庫)

一歩前に♪勇氣をありがとうさくちゃんの甲信越blogランキング(*^_^*

私の友人に智恵遅れの子を持った親がいます*1
この子は三人兄弟の真ん中です。その子は、お兄ちゃんや妹がいないとき、この子だけにおやつをあげても絶対に食べようとしないのです。三人になったとき、はじめて喜んでおやつを食べます。
あるときケーキが2つしかなかった。母親はどうしても真ん中の子をひいきするもので、この子にケーキをあげて、お兄ちゃんと妹にはひとつのケーキを半分にして与えました。
けれども、その子はケーキを食べようとしません。ものも言えない子ですが黙ってケーキをみつめているだけです。
母親は、はっと気づいて、その子のケーキを半分にして、残った半分を母親が食べはじめたのです。
すると、その子は喜んでケーキを食べ始めたのです。
世間の人たちはこの子のことを「智恵遅れ」と呼びます。確かにこの子はお兄ちゃんのケーキの方が僕より大きいと比べる智恵はありません。しかし、この子はお兄ちゃんや妹が半分しかケーキを食べれないとき、自分は一個は食べてはいけないのだと考える智恵は持っています。
その父は言います。「この子は智恵は遅れいません。遅れているのは、ただ知識だけ」


高速バスでこの話を読んだとき、なぜか涙が止まらなくなった。最近この手の話に弱い。
歳をとったせいだろうか。それとも身内に障害児がいるからだろうか。父親の言葉が、深く胸に刻まれた。
この子は何かが足りないんじゃない。それがひとつの個性・・


まんだらの絵にはたくさんの仏様が描かれている。
その仏様はすべて同じ「偉さ」でどの仏様が上で、どの仏様が下ということはない。仏教では他人と比較することを慢といい、それは煩悩といっているそうだ。
だから、まんだらとは一人一人それぞれの役割分担があるという考え方。
金子みすずさんの「私と小鳥とすず」の詩が浮かぶとてもいい本だった
http://www.asahi-net.or.jp/~pw2t-mnwk/Favorite/Misuzu.html


青い空、白い雲!今日もいい日だ♪

*1:本来は知的障害児という言葉が適切かもしれないがその言葉ではその親の言いたいことが伝えることができないとして表現したとは著者の言葉