イチロー君の心理学

「僕にとってはね。谷しかなかったんすけど。。最後に山がきました。もう、バカヤロ〜(*^_^*)」
今日はイチロー君のことを書こう。まだ脳裏に焼きついている。
サムライ・ジャパンWBC決勝戦、10回表の2アウト、2、3塁。イチロー君の見事なセンター前タイムリー。
鳥肌がたつほど凄かった。
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「個人的には最後まで足を引っ張り続けました。
韓国のユニホームを着、キューバのユニホームを着、最後にジャパンのユニホームを着ることができました。おいしいところだけ、頂きました。ごちそうさまでした。」

優勝から一夜明けたインタビューの言葉。このお茶目なところがまたにくい。
ところで、あの場面でなぜイチロー君はヒットが打てたとあなたは思います?


精神科医佐々木信幸(樺沢紫苑)さんはこう分析する。

いやー、もう、苦しいところから始まって、苦しさからつらさになって、つらさを超えたら心の痛みになりました。
でも最後は笑顔になれました。最後の打席は神が降りてきましたね。
ひとつ壁を越えた感じです。
あのとき(ヒット)自分(の心の中)で実況しながら打席に入りました。(試合後のインタビューより)

このインタビューで特筆すべきことは「神が降りた」ではなく、「心の中で実況しながら打席に入った」という点イチロー君が非常に冷静な心境だったことを示しているという。
心理学用語でこれを「ディソシエイト」な状態というらしい。*1
アソシエイトした状態では、緊張が高まり、混乱し、動転してしまい、結果として、間違った判断や、実力を100%出せない。
プレッシャーが高まる場面に呑み込まれないように、敢えて自分自身を客観視するべく、自らの実況中継を心の中で行った。
樺沢さんはいう「これは心理学では凄いテクニックだ・・
なるほどと思って感心してしまった。
ボクは「人間は感情によって動く」と思っているが、これは感情に任せて動けといっているわけではない。
自分の感情をコントロールする、すなわち自分を客観視できることは素晴らしい才能だ。イチロー君は随分年下でも僕がリスペクト(尊敬)している所以はそこにある。


またお休みの日に長文、失礼つかまつった<(_ _)> 

*1:ディソシエイトとはアソシエイトの反対語で、「アソシエイト」が主観的なものの見方に対し、「ディソシエイト」とは客観視できる状態を言うという。