たしかなこと
昨日小田和正さんのことを書いたらこの本のことを書きたくなった。音楽評論家の小貫信昭さんが書かれた小田さんのインタビュー録。まさに彼の生きざまをわかりやすく伝えてくれる本だ。
- 作者: 小田和正,小貫信昭
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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彼の曲はラブソングというイメージを持たれている方が多いと思うが、実は「えっ、小田さんがこんな曲を」という曲も多い。
たとえば、オフコース時代の「老人のつぶやき」は人生の週末を迎えつつある人間の心情を歌った曲だし、「幻想」は真っ向から現実を否定している。アルバムからいえば「僕の贈り物」の「地球は狭くなりました」や「秋行く街で」の中の「キリストは来ないだろう」は曲名からして否定的だ。(ごめん。みんな1970年代の曲だから知らないだろうネ・・_| ̄|○)
それは彼の中に「人間なんて・・」という厭世的な人生観があるからだ。
そうかといえば、「伝えたいことがあるんだ。君のことがすきだから。」とシンプルでストレートな曲も歌う(伝えたいことがあるんだ1997年)
「言葉にできない」「キラキラ」「たしかなこと」それぞれ名曲だ。
彼はインタビューの中でこういっている
「オレはある意味お客を突き放している。と同時に俺が俺がというのではなく少し引いたところで自分をみている。かっこよさってそういうところにあるように思うんだよね」
このちょっと引いたところが僕の好きなところだ。
小田和正さんの言霊がつまった本。ファンでなくてもお薦めの1冊。