奥田英朗さんのイン・ザ・プール

お江戸に行く前にもう1冊紹介したい。
奥田英朗さんは不思議な作家だ。
切り口がとてもブラックのくせに後味がなぜかいい。爽やかとまで言わないが、サラリとした読感でくせになる。
それを感じる代表的な作品が僕はこの「イン・ザ・プール」だと思っている。

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

応援ありがとう♪さくちゃんの甲信越ブログランキング(*^_^*


主人公は精神科医
趣味は水泳で、精神科医のくせに自分がプール依存症、陰茎強直症、妄想癖があるという。
地下室にある病室では「いらっしゃーい」と場違いな甲高い声が鳴り響き、隣には妙に色っぽい看護婦がいるという・・
こんな状況ありえないと思いながら、頭の中で想像できてしまうところが奥田さんのうまいところだと僕は思う。


診療内科医のくせに人も話もよく聞かず「じゃあ、注射打とうか」とニコニコ答える。
実際こんな医者がいたら怖いのだが、患者の目線に立って一緒に考えるところが愛嬌があって可愛らしい。
ちょっと頭が疲れたと感じたとき、奥田英朗さんの世界は心地よくあなたを現実逃避の世界に案内してくれるだろう(*^_^*)
気分転換におすすめの作品、奥田英朗さんの才能が作り出した変人伊良部先生の世界をあたなも体験してみませんか?(笑)