エルちゃんのクリスマス 第5話

「なんだい、それは」思わず僕はそう聞いた。
ホットチョコレートよ」天使エルは真顔で答える
ホットチョコレート!??って、その、あれかい」
あまりに突然の出来事にどぎまぎしながらそう聞くと、エルは
「そうよ。チョコレートを溶かしたものよ。」とすました顔で答える。
神様がチョコレートなんか飲むものか・・心の中でそうつぶやくと
「あなた、いま、天使はチョコレートなんか飲まないって疑ったでしょ<(`^´)>」
と強い口調で返ってきた。まるで僕の心をすべて見透かしているようだ。
「これはね。天使の国にしか売ってないものなのよ、あなたの知っているチョコレートなんかよりずっと美味しいわ。でも、あなたには一生かかってもこの美味しさはわからないと思うわ。だって見る限りチョコレートって顔していないもの」
天使エルは僕のことなどおかまいなしにしゃべり続けている。
見た目とチョコの美味しさと天使がなぜ関係するのか・・
一瞬そんな考えが頭をよぎったが、彼女のことはひとまず放っておき、自分がどうしてこうなったのかまず頭の中で整理することにした。


さて今日は朝起きて何をしたのだろう。不思議なことに今日の記憶がない。
じゃあ、昨日は・・・
昨日は、確か仕事帰りに本屋に寄った。娘のために絵本を買ってあげたのだ。
タイトルは。確か・・・・・「エルちゃんのクリスマス」
その夜、娘にせがまれ、絵本を読んであげた。
アルファベットで12番目の天使という意味でエルちゃんというらしい。
ということは、これは夢なのか。そう思うと少し安心したら、頭上から甲高い声が聞こえてくる。


「あなた!人の話を全然、聞いてないわね。」
透き通る声が僕の思考をさえぎった。
「だから人間はきらいよ。だいたい自分のことばかり考えて、ひとの話なんて聞かないのだから。」
「いいわ、あなたがここに来たわけを教えてあげる。この時間の花をみてご覧なさい」
そういって天使エルは、ガラス細工でできた薔薇のような花を僕の前に差し出した。(つづく)

追伸 HAPPY BITHDAY

今日は友人のKちゃんの誕生日。
確か僕と入社が同じだから今年でハタチになるはずだ・・・・汗
お祝いに木家珈琲をあげたら、手作りのクッキーとお菓子を逆に貰ってしまった。ありがとう。そしておめでとう(^^♪