僕が好きな映画「眉山」

娘だから聞けなかった。母だからいえなかった。
二人の想いが重なったとき、娘は母の思いに辿り着く。眉山

いい作品を見た。
徳島を舞台に母娘の絆を描いた、さだまさしさん原作の『眉山』。
眉山とは、実在する徳島の山で、なだらかな美しい眉のようなシルエットを万葉集で「眉の雲居に見ゆる阿波の山」と詠まれたことに由来する。長い間、徳島の人の心を優しく見守り、癒してきた。
まあ、いいではありませんか♪甲信越ブログランキング
正直、私は犬童監督の作品はあまり好きではない(汗)
だけど、この作品はいい。お母さんを大事にしようという気になる。
表面的には意地を張ってぶつかりあい相容れない母と娘が、母の病気を契機に深いところでつながっていく。母と娘の心理描写がうまい。
監督はラストのシーンが一番力を込めたと言っていたが、いかにもという感じで実はあまり好きではない。だけど彼の描く所々に涙した。
母親役の宮下信子さんという役者は凄い。彼女が病室の窓を開け、雨が降る外を見る後姿を見ただけで僕は泣けてきた。(ネタバレごめん)
あんなふうに背中だけで演技できる役者さんはそうはいない。
娘さん役の松嶋菜々子さんも良かった。彼女のファンだから言うのではなく、あの役は彼女にしか出来ない気がする。若草色の着物姿はとても綺麗だった。
そして阿波踊りのシーン。
映画のためだけに本番の直後の4日間14200人のエキストラを使って撮影した踊りに劇場でビビっと電気が走った。
悲しい映画なのに、踊っている、そして見ている徳島の人の笑顔を見ていると、なぜか元気になってくる♪
そして、最後の母の言葉(メッセージ)の深さに・・・(涙)
僕はこういう作品が好きだ。
「この作品は全ての状況を登場人物たちが受け入れていく作品だと思う」
原作者のさだまさしさんがこう表現したように、この作品は受け入れることの大切さを説いている。
母のそばにはいつも眉山があった・・・・
この頂上から見る徳島の景色はどこまでも青く雄大だった。あなたのそばには何があるのだろうか?(笑)

あらすじ goo映画より
東京で働く咲子は、母の入院の知らせを受け、久しぶりに徳島に帰郷する。
母子家庭で育った咲子は、気が強く何でも一人で決めてしまう母に寂しさを感じていた。ある日、母の友人から箱を手渡される。中には、死んだと聞かされていた父から毎年届いていた手紙の束が入っていた。隠された母の恋を知った咲子は…。
監督:犬童一心 原作:さだまさし
出演:松嶋菜々子大沢たかお宮本信子円城寺あや山田辰夫黒瀬真奈美金子賢、夏八木薫、永島敏行、本田博太郎
主題歌:レミオロメン「蛍」
劇場:長野シネマグランズ
ホームページ:
http://bizan-movie.jp/