愛の流刑地の感想

愛の流刑地〈上〉

愛の流刑地〈上〉

似合わない映画を見た。
通称、「愛ルケ」と呼ばれている作品だ。
原作は日経新聞の朝刊に連載されたの恋愛小説。あのお堅い新聞が赤裸々で少し過剰な性描写をして話題になった。渡辺淳一さんはあまり好きでないため読んでいなかった。
妻が観てきて「面白い」と言ったので、私も好奇心でみてみた(汗)
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敢えて朝行ったが、劇場には年配のご夫婦が多くて驚いた。
冒頭から大胆な濡れ場。二人の熱気が伝わってくる。
彼(豊川悦司)の手が優しく彼女(寺島しのぶ)の背中から腰に移っていく。肌と肌が触れ合い、エクスタシーを感じた瞬間、彼女が発した言葉は・・・
「私を殺して」だった。
物語はこんな場面から始める。予想していたが、絡みのシーンが多くてちょっと参った(;゚д゚)
なぜ愛するオトコに「殺して」と言ったのか?
なぜ愛するオンナを「殺した」のか?
主人公の菊次と冬香。交錯する二人の感情を裁判を通して描写していく。
廷でのやりとり「それでもボクはやっていない」が淡々と進んでいくのに対し、この作品には緊張感が漂う。検事役の長谷川京子さんの表情もよかった。「ドラゴン桜」で彼女を大根役者と言ったことをお詫びし訂正したい。
そしてこの作品はラストのシーンがとてもいい。


実際に見て、女性でこの作品を支持する人が多いのがなんとなくわかった気がする。
実際には起こってはいけない世界。映画の中だけのファンタジー。だからこそ楽しめる作品だと思う。ちょっと昼ドラに似ている。
ただ男性の私にはちょっと違和感も覚えた。(以下ネタバレのため見る方はご遠慮を。いや正確には冒頭からネタバレごめん)
「わたしは一生懸命働いているのです。一家が安全で、楽しく暮らしていけるように、それで、なにがいけないのですか。」
映画では冬香の夫が、仕事に追われ時間がなくて、妻のことを気にかけてあげないことが不倫、そして、この犯罪の一因のようにも聞こえる。
確かに自己中心的の嫌な男にも見えたが、だからといってしていいわけではない。
「家族のために一生懸命働いたのに、どこが悪いねん」一人突っ込んでしまった。

「僕は選ばれし○○○」
あの人の最初の女にはなれなかったけど、最後の女になりたい。
禁断の恋に挑んだ二人の行き着く先は・・・・
「最高の愉悦を感じるか否かは、知性や論理の問題ではなく、感性の問題である。」そういいきる渡辺淳一さんらしい作品だった。
日経朝刊愛の流刑地紹介http://www.nikkei.co.jp/honshi/20041206ta7c6000_06.html


監督:鶴橋康夫
原作:渡辺淳一愛の流刑地」主題歌平井賢
出演 : 豊川悦司寺島しのぶ陣内孝則長谷川京子仲村トオル富司純子本田博太郎浅田美代子佐々木蔵之介貫地谷しほり松重豊余貴美子津川雅彦
劇場:長野シネマグランズ
ホームページ:
http://www.airuke-movie.com/index.html