鉄コン筋クリートの感想

松本大洋の大人気作品「鉄コン筋クリート」が映画となったと聞いて早速?見に行った。
私はスピリッツに連載されていた頃にこの作品に出会った。

鉄コン筋クリート (1) (Big spirits comics special)

鉄コン筋クリート (1) (Big spirits comics special)

率直の感想は原作の世界観を忠実に描いているなぁと思った。台詞がちょっと抜けていて寂しい部分もあったが、その分絵やコンテはかなり緻密に丁寧に描かれている。
今日のさくちゃんは何位だ♪〜応援ありがとう♪さくちゃんの人気blogランキング
言葉ではなく映像でみせる作品。ワタシはこういう作品好きだ。
なかでもシロとクロの住む宝町は秀逸だ。日本の街であって日本の街でないあの町はとても魅力的に見えた。
勿論、主人公シロとクロのキャラクターも魅力的である。映画の中では彼らの息遣い、鼓動までもが伝わってきそうな感じがする。
アニメ作品としては「暴力」も扱っているので、小さな子供にはどうかと思うが、暴力の持つ狂気と虚しさが見事に描かれていると思った。
ある意味、この作品は原作のイメージ通りだった。
ということは、裏を返すと原作を読んだことがない人にはちょっと難しいかもしれない。特に作者が訴えたいメッセージを言葉ではなく、映像で表現しているため、わからない部分、物足りない部分があるのかもしれない。
だが、私はこういう作品の方が好きだ。原作のファンの人は是非、劇場に足を運ぶべきだと思った。
(ここから先、ネタバレありのため、まだ見てない人はご遠慮を)
最初、クロの声を二宮和也君、シロを蒼井優さんがやると聞いて、きちんとした声優を使って欲しいと思ったものだが、全くもってお二人には失礼した。
作品の中で彼(彼女)は紛れもなくクロ(シロ)であった。特に蒼井優さんは彼女がシロと言われなければ気づかなかった。
「結局、クロがシロを守っていたんじゃない。クロはシロに守られていたんだ」というじっちゃんの台詞がとても印象に残った(ホント、ネタバレごめんなさい)


義理と人情とヤクザの町、宝町、そこには2人の少年、クロとシロがいる。
他にもヤクザのねずみや蛇、木村たち、欲望と情熱、悲哀の感情が蠢く街で、あなたは何を見るだろうか


監督:マイケル・アイリス
脚本:アンソニー・ワイントラーブ
原作:松本大洋鉄コン筋クリート
出演 : 二宮和也蒼井優伊勢谷友介宮藤官九郎本木雅弘
劇場:長野シネマグランズ
ホームページ:http://tekkon.net/