私の失敗学

sakurasaku20052006-12-28

はやばやとあきらめるな、
いつまでもしがみつくな。
モリス・シュワルツ「普及版 モリー先生との火曜日」より

私はモリー先生のこの言葉が好きだ。諦めるのも、しがみつくのも好きでない。
こう見えても心配性で、いつも、結構、失敗を前提に仕事を組み立てている。いや、言葉を変えると、「ダメかもしれない」という危機感がいい結果を生むと思っている。
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うちの会社もよせばいいのに年始に新しいシステムを動かす。本来、あけましておめでたくならなければいけないのに、多分どこかでトラブルや障害は起こるだろう。
出来れば防ぎたいが、防げないと思っている。現在、最後の追い込みで31日まで休みはない。、周りは徹夜する人など、かなり飛ばしているが、敢えて私は抑えている。
勿論、長時間労働に耐えられないという健康上の理由もあるが、私の本当の仕事は稼動後のアフターフォローにあると思っているからだ。
畑村洋太郎さんは「失敗学事件簿」の中で

小さな失敗を大きな失敗につなげないためには、責任追及だけでなく、失敗がなぜ起きたのかという原因究明と再発防止策をたてることだ。
だれがいけない、あのやり方がおかしいというより、今の我々の実力はこの程度だと素直に認め、皆が気づかずにいる雰囲気に気付いてそれを打ち破り、新しい段階に進もうではないか。

と言っている。私もそう思う。
なるべく失敗は隠して、人に見せないようにする人がいるが(かつて私もそうだった(汗)、これでは失敗から学ぶとることが出来ない。
たまには恥をかくのも大事なことだ。だから、私は、プログラムは皆さんのように作れないと正直に告白し、調整役を買って出た。
「さくちゃんの言葉はいつも説得力があるなぁ」と言われるが、それは私が自分を包み隠さず本音で喋っているから、そして言ったことに対しては行動するからである。
行動しなければ、失敗はないが、成功もない。
どんなに一生懸命やっても間違いは起こる。その間違いを素直に認め、相手に真摯に相談することで、対応策は見つかる。それが新しいチャンスになる。


男はタフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。

フィリップ・マーローの言った「優しさ」の裏側には気配りの意味も含まれていると思っている。
繰り返しになってしまうが失敗の体験がなければ、成功の体験も得られない。
世の中、「早くて便利」と効率ばかり追求されているが、本当に成功したいなら、あせらずゆっくり、コツコツと繰り返す泥臭い仕事が大事なのである。
それは言葉を変えると成功するための『下準備』。いろんなことを想定し、きっちり下準備したものだけに神様は微笑んでくれる。
その下準備に近道はない。

勝負は負けた時から始まる。
弱さを知った時、己の成長が始まる。神永昭夫