グッドラックの感想

読書週間最後の日、そして私のブログ1周年記念に紹介するのはアレックス・ロビラとフェルナド・トリアス・デ・ベスの「グッドラック」。
五十四年ぶりの運命の再会を果たした、幼なじみのジムとマックス。
仕事も、財産を失い、運命を嘆いているジムに、マックスは祖父から聞いた“魅惑の森”の物語を語りはじめる…。
とてもシンプルな内容で、たぶん1時間もあれば読めてしまう話なのに、とても中身の濃い本である。
私は最終章「この物語は、あなたに続く」で胸が熱くなった。読んだ後、ジンワリくる胸に響く本である。何度読んでも幸せをつかむために「ガンバロウ」という気分になれる。
「運」はただ待つものではなく、十分な下ごしらえが必要。作者は魅惑の森の物語でこう語っている。
運は来てもまたすぐ去っていくものだけど、自分で条件を調えて呼び込んだ『幸運』は、一生尽きることのない喜びや富をもたらす。
最後まであきれめない人だけが幸運を手にすることが出来る。
ノットとシド二人の騎士の物語をフィリップ・コトラー氏が、「星の王子さまのようだ」と絶賛したそうだが、私もあえてこの物語はファンタジーとよびたい。
読んだ後にちょっと幸せな気分になれる。休日の午後に飲む紅茶のような本だ。
本当にシンプルで、何気ないありふれた言葉で綴られていが、アレックス・ロビラの言葉が、後になってぐっと心にくる。不思議な本だ。
とても読みやすく、わかりやすい本なので、学生さんから年配の方までお薦めできる。自分にとって生きる意味を悩んでいる人、幸せという言葉に飢えている人、とにかく前向きになりたい人に読んでもらいたい。
『何かをしなくちゃ何も起こらない。それは、自分自身の行動から。』
これを読めば、あなたも幸せな人生に向って、何かをつかめるかもしれない。