がばいばあちゃん佐賀から広島へめざせ甲子園

「1日働けは2せんいぇんになる。その金で米を買う、味噌を買う、醤油を買う。そしたら死なんばい、おかずは後からついてくる。」
以前紹介した島田洋七さんの「佐賀のがばいばあちゃん」その続編が本書である。佐賀から広島へ、舞台は彼の甲子園を目指した高校時代に移り変わる。昭和40年の春、まだ高度経済成長途中、日本国民はまだ貧しかった。
特にがばいばあちゃんのところはチョーがつくほど貧乏だったらしく、洋七少年が学校から帰ってきて、「ばあちゃん、腹減った」といえば「気のせいや」といい、夜に更に「腹減った」といえば「夢や」と答えたという。
彼はこの作品の中で、モノやお金の貧しさより、心が貧しいことが本当の貧乏だということを語っている。
貧しい中にはユーモアがあり、聞いているとふと笑ってしまうそんな本。
大いに笑って、ちょっとだけ涙する物語。
秋の夜更けに少し頭をリラックスさせたい人、お薦めの本である。