鳥取県 月の砂漠が歌える鳥取人 前編

鳥取県で紹介する落語「鷺とり」、江戸では「雁とり」ともいう有名な古典落語である。
「まあ。こっちにお入りなさい。最近どんな仕事しているの?」 
ある男が知り合いの家に行くと、近頃はどんな仕事をしているのかと尋ねられます。するとその男は「鳥とりをしている」と答える。
「それは何です?」知り合いは何のことか分からないので、その仕事は何かと尋ねると男は
「鳥を取るから鳥とりです。鳥さしとは違いますよ。雀とウグイスは捕まえようといろいろ試したが駄目だったので、今は鷺を捕まえようと思っている。」
と答える。
「雀もウグイスも捕まらないものが、鷺なんて大きな鳥が捕まるのか?」
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「心配いらない。サギ(詐欺)っていうからには鷺を騙して捕まえればいい。」
「騙す!?どうやって?」
「鷺は田んぼに降りてドジョウなんかをコツコツ食べている。だから、そこに行って遠くのほうからサーギーと鷺を呼んでみる。」
「呼んだら、わかるのですか?」
「分かりますよ。ドジョウをコツコツしながら、「おや? 誰かボク呼んでるねぇ……、お、人間か。何の用や、そぉか、捕まえよと思とるな。ここで逃げたのではオモロない、もっと近寄って来て、今まさに捕まらんとする時にバタバタッと逃げたらビックリする。その方がより面白いから待っていてあげよ。」
「それで。」
「鷺は近づくのを待っている。私はちょこちょこっと近づいて、今度は少し小さな声でサーギーと呼ぶ。すると鷺は『やはり声がする。だけどさっきより小さくなっているなぁ』と不思議がる。そこでまた、ちょこちょこと近づき、更に小さな声でサーギーと呼ぶ。「あれまた声が小さくなっている。遠くにいってしまったのかな」と思ったところをガバっと捕まえる。どうです?」
「あまえ、あれだな。。。アホやな。」
知り合いは、「そんなことでは鷺は捕まらないから、北野の円頓寺(えんどうじ)の池に鷺がたくさんいるというから行ってみたら」と勧める。
それで、男は夜になって北野の円頓寺へ行くと、池で寝ていた鷺をたくさん捕まえられる。ところが、それを腰の帯にずらりと並べて挟んでいたので、朝になって目を覚ました腰の回りの鷺が一斉に羽ばたくと、この男は鷺と一緒に空に舞い上がり、四天王寺五重塔の屋根の上に乗っかってしまった。
「だれか、助けてくれ。」
それを寺の坊さんが見つけて、布団を持ち出してきて助けようとする。
しかし、男が布団に飛び降りた拍子に、余りに勢いが強すぎて、布団の四隅を引っ張っていた坊さん達の頭が互いゴーン。
「一人助かって、四人死んじゃったよ」
こんなんでよろしいんやろか。

終わりに

えっ、中に鳥取県の話が出てこないって。
この噺、鳥とりだから鳥取・・・(汗)