日本沈没の感想

日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)
監督: 樋口真嗣 脚本:加藤正人 原作:小松左京日本沈没」(小学館
出演:草なぎ剛柴咲コウ豊川悦司大地真央及川光博福田麻由子、國村準、吉田日出子柄本明石坂浩二
主題歌:久保田利伸&ソンミン「Keep Holdeing U」
劇場:長野グランドシネマズ
ホームページ:
http://www.nc06.jp/
信州は豪雨で災害続きなので、この映画の紹介をするのは気がひけるのだが、地元のシネコンは火曜日カップルデイで二人で行けば1000円で見られるので、日本沈没を見た。
私の中で、この夏一番の話題作である。
何年も前に何かに取り憑かれたように夢中で読んだ小松左京さんの原作を、とにかく熱いことで有名なローレライ樋口真嗣監督がどのように仕上げるか。予告編の時から楽しみにしていたからだ。
もし、日本列島が海の底に沈没しまうことがわかったら・・・。
沈没までのタイムリミットは338日!

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静岡県沼津市。物語はいきなり緊張感のあるシーンからはじまる。

で感想は・・・この作品の評価は難しい。期待していた作品だけに少し感想は厳しくなる。
まず、この作品には2つの視点があると思う。
ひとつはCGを駆使した特撮映画として、もうひとつは小野寺(草なぎ剛)と玲子(柴咲コウ)をはじめとする登場人物たちの人間ドラマとして。
この感想を快く思わない人もいるかもしれないが、監督がどちらにも力点を置いてしまったため、作品が全体的に中途半端になってしまった気がする。
もちろん、防衛庁東京消防庁が全面撮影協力した特撮映像は、臨場感に溢れている。
爆発する山々、火口から吹き出す溶岩、割れる大地、襲い掛かる大津波・・・
ちょっとグーグルの世界地図を見ているのかと思うところはあったが、日本列島が真っ赤に燃えている映像は、迫力があり衝撃的であった。
さすが製作費に20億円かけただけのことはある。
しかし、妻がアルマゲドンを見ているようだったといっていた通り、後半少しオリジナリティに欠けた印象がある。
樋口監督は「ガメラシリーズ」の特撮監督でもあり、妻夫木聡さんのドラゴンヘッドの視覚効果デザインを担当されるなど、特撮系作品においては素晴らしい監督である。そこはわかるのだが、今一歩踏み込んだ人間ドラマも描いて欲しかった。
主人公の小野寺君(草なぎ剛)はどこにでもいる普通の青年である。
草なぎ剛君の演技は一見普通に見えるが、人の持つ心の弱さをよく表し、最期の壮絶な顔は完全に役者草なぎ剛であり。いい顔をしていた。
それと、大臣役の大地真央さんの演技が良かった。凛として颯爽とした彼女の演技を観ていると長崎出身の池田内閣で女性初の閣僚になった中山ミキさんを偲ばせる。
この作品、特撮映画としては出来が良い。
だけど原作を読んだときのような何か強いメッセージは感じられなかった。ちょっと全体的に暗い印象を受けたのが残念だ。
同作品をTBSでなく、フジが手掛けていればまた違った作品になったのではないだろうか。
でも、監督が情熱を込めて撮ったという、小野寺と玲子のヘリコプターのシーンは良かった。このシーンだけでもこの映画を見て良かったと思う。だから、まだ私の頭の中で久保田利伸とソンミンの「Keep Holdeing U」が流れている。

追伸 被災お見舞い

中南部中心に起こった今回の豪雨災害。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。