立花エリカの『いのちのバトン』初めて出会う相田みつをの言葉

アレも コレも ほしがるなよ 相田みつを
できません。私は欲しい物だらけだからです。
いきなり、相田みつを先生の言葉に、膝蹴りを食らわすような解説に、この女子高生は何を考えているんだと思って、著者の紹介を見たら、私よりずっと年配の女性作家の方であった。
だが、よく考えると、正直にご自身の気持ちを語られている。
やれなかった やらなかった どっちかな
という言葉には、逆上がりが出来ないことを例に取り、「やれなかった」でも「やらなかった」のどちらでもありません。私は「やったけどできなかった」のです。と書かれている。
なるべくならう そのないほう がいい
という言葉に対しては、気分の悪くなるような嘘はない方がいいけど、人を思いやるきれいな嘘はなるべくたくさんあった方がいいなあ。と言っている。
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一見、相田先生の揚足を取っているようにも思えるが、その実、ご自身でよく相田先生の言葉を消化され、ひとつひとつがまるで少女のような純粋な言葉で解説を綴っている。
たぶん、この本を書くまで、相田先生の言葉は説教くさく、ご自身にとっては何か重荷に感じ嫌いだった著者が、真摯にその言葉と向き合ったとき、その言葉の意味について深く感じるものがあったのだろうと思う。
解説は全てご自身の体験に基づきストレートな気持ちで書かれている。
童話作家である彼女が書いたこの本を読めば、たぶん女性を中心に「わかる、わかる」と相田みつをさんの言葉が素直に胸に入っていくのではなかろうか。
相田みつを作品の入門書として、また新たな相田作品の魅力を感じる上でも、私のお薦めの1冊である。