終身雇用はいいが、年功序列はだめ

sakurasaku20052006-05-26

24日、経団連の総会でトヨタ奥田碩会長が退任し、キヤノン御手洗冨士夫さんが会長に正式就任した。
IT業界からの初の会長だそうだ。
私も一応IT関連の仕事をしているし、静岡にいる大学時代の友人のH君がそのキャノンに勤めていることもあり、好感を持ってテレビを見ていた。(写真は「進む40代」新潟市での大江千里トーク&ライブ)
彼は記者会見で、「イノベート(変革する)日本」を目標に掲げ、「成長を確実にするため技術立国を目指す」と経済活性化に強い意欲を表明した。
私が一番感銘を受けたのは
「終身雇用はいいが、年功序列はだめだ。」という彼の言葉。
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終身雇用は愛社精神を培い、企業(=日本経済)の競争力の源泉であるが、緊張感を失わせるような年序列的な昇進はやめるべきという考え方である。
更に彼は「社内(企業)を変えるには、改革を支える愛社精神の創出が不可欠だ」とまでいっている。
愛社精神を支える終身雇用と努力したものが評価されるシステム
これこそが今の日本に一番求められているものだと思う。
大規模なリストラにより企業の業績は回復したように見えるが、そこに働く物にとっては「いつ自分がクビになるか」疑心暗鬼になっているのも事実だ。
経費の削減=人件費の削減と多くの企業が考え、選択定年制の早期導入や、希望退職の募集などによるリストラは中長期的に見ると決してその企業のためにならない。
なぜなら、いずれ自分もそうなると思うと、会社のためという気持ちがなくなり、お金のためだけに働くという発想では社員はやる気が起きないからだ。
今国会で話題になっている民間出身の社会保険庁村瀬長官が「保険料の収納率アップを職員にノルマにして不正免除が問題」になった件にしても、目的不在の実績主義は組織をだめにする。
「うちの会社と」と自慢できるようになって、初めて、組織は活性化し、企業の収益も上がるのではないか。
御手洗会長にしても、以前紹介したイオンの岡田会長にしても成功した企業のトップは人員整理をしたのではなく、人を育てることに重点を置いている。
リストラとは本来人員整理を意味するのではない。
企業の価値の再構築を意味する言葉である。
御手洗冨士夫会長の理想は
「誰もが競争に参加する機会を得られ、敗れた人が何度でも再挑戦できる社会が理想」
だそうだ。そんな彼には大いに期待したい。
そういえば、会長はうちの父と同じ年だ。そう考えると父が現役でがんばっているのも至極普通に見えてきた。
すごいぞ70代、頑張れ30代、進め40代