「買う気にさせる魔法の言葉」の感想

GWに読んだ本3冊目はタイトルに惹かれて購入した本。
作者の北山節子さんは新宿伊勢丹CKカルバンクライン店で同ブランドの単位売り上げ日本一に導いた人である。
とても読みやすく、口語調で全て綴られているので、読んでいて違和感なくさっと読める。
テキパキとした対応より丁寧な対応を。
あえてその商品の欠点を隠さない。

など彼女の発する言葉には当たり前だけれど、お客様との接客の真をつくところが多い。
本書の中で彼女が言いたいことは接客とはマニュアルではなく、思いやりから生まれたひと言が客の心をつかむということであるということ。
お客様にとって居心地のいい売り場。お客様がすべてを販売員にゆだねられる売り場。
そんな売り場づくりのためのコミュニケーションのノウハウがつまっている。
かつて接客業に身をおいた私には、どの言葉も「なるほど」と納得いくことばかりである。だが裏を返すと大した真新しさはなく、タイトルほどの魔法は感じない。
それよりも感心したのは、

販売員どうしがなんでも言い合えるストレス・ゼロの関係を築けば、数字(売り上げ)はあとからついくる。 お客様にどう接するかを考える前に、まず、販売員どうしが、いい人間関係をつくる。それが接客の基本なのです。

という彼女の言葉。
接客とは、個人で接する前に、職場としての人間関係を作ることという言葉。これは全てのサービスや製品をつくる際にも当てはまる言葉だと思った。
この本はこれから就職活動をされる学生さんや、流通業や接客業に興味のある人、そして普段サービスとは何だろうと考えている人にお薦めしたい。営業マンなど、タイトルに惹かれてテクニックだけを覚えたいという人にはあまりお薦めできないと思う。
接客の本質をわからせてくれる本だと私は思った。

追伸

ボルツに一生懸命なオレメデアの晃弘さんには是非、読んで欲しい本である。