カッコウと母の誕生日

sakurasaku20052006-05-22

昨日、僕はかっこうの森にいた。
長く続いた雨が、植物の命を洗い流し、新たな命を携えた木々の新緑が一層濃く、そしてまぶしく私の目の中に入ってくる。
目を閉じると「カッコウカッコウ」と郭公の鳴き声が聞こえる。
本来初夏に鳴く夏鳥のはずの郭公もこの陽気に一斉に活動しだしたようだ。もうお昼に近いというに鳴きやまない。そのカッコウの鳴き声を聞きながら、鬱蒼と茂る森を越えると、そこは開かれた大湿原。
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リュウキンカの黄色い花が僕を迎えてくれた。
そっと地面に耳を近づけると、大地の息遣いを聞こえてくるようだ。
ありがとう太陽、ありがとう大地、いのちをありがとう
進之助(藤木直人)の台詞をつぶやきたくなる。

市街地からほんの30分車を走らせただけなのに、そこはもう黄色い妖精たちが舞う別天地だった。
朝妻に「たまには練習場に行ってくる」といって出掛けたが、あまりにもいい天気につられ飯綱高原まで来てしまった(汗)
それにしても、とても良いところだ。
心も体も洗われる気がする。
5月19日付の信濃毎日新聞に信州に伝わるカッコウの民話が載っていた。
ある初夏の日、母の背中が漆にかぶれ、背中がかゆくて仕方ない。

子に頼んで掻いてもらおうとしても、気持ち悪がって子は掻いてくれない。仕方なく岩に背中をあててこすっていると、岩が転がり、母は谷底に落ちて死んでしまう。
子は大層悲しみ「おかあちゃんかこうに、かこうに」と泣いているうちに鳥になってしまった。だからこの時期になるとその鳥が「カッコウカッコウ」と鳴いて詫びるという。

何だか切ないけれど心にしみいる話である。
そういえば母には子供の頃、たくさん童話や民話を聞かせてもらった。
子が背中を掻いてあげなかったことが親不孝だったとは思わないけれど、たまには母にも何かしてあげなければと思う新緑の日。
今日は母の誕生日だ。おふくろ誕生日おめでとう