大黒柱には車をつけよ

昨日私は久しぶりに仕事で東京にいた。
経営とITの一体化を提案した某社のフォーラムが開かれたからだ。
本来なら副部長か先輩のAさんが行くところなのだろうが、Aさんは足のケガが治らず、まだ入院中のため私に白羽の矢がたった。
長野から東京まで片道1時間30分。
新幹線が出来る前は片道3時間半かかり、東京は1泊の出張だったが、今は日帰りが当たり前。それはそれでとても便利になったが、横川駅で走って名物釜飯を買ったり、鉄製容器のお茶を買ったりするといった風情は味わえなくなった。
私はそのささやかな抵抗として高崎でだるま弁当を買った。久しぶりに食べるだるま弁当はおいしかった。
会場の東京国際フォーラムは山の手線で一駅。あまりにあっという間に着くので、何か遠くに来た気がしない。長野から伊那まで2時間、飯田までだと3時間かかることを考えれば、同じ県内より東京の方が近いわけだ。
でもやはり人が多く、雰囲気は違う。
なぜかシステム系の人はある種独特の雰囲気があって、電車に乗っている時からこの人たち同じ会場ではと思っていたら、まさに同じ所に入っていって笑ってしまった。
会場の東京国際フォーラムには黒やグレーのスーツを着たビジネスマンが蟻の巣の中心のように溢れ返っていて、田舎者の私はいるだけで窒息しそうな気分になる(悲)。
1メーカーのイベントにこれだけ人が集まるとは。
今日の新聞に東証1部上場の4割が史上最高益を記録したとあるように東京を中心に景気は回復基調にある。ただ、それが地方とか私のような1庶民まで感じれない。
システム屋さんのイベントだけあって、会場では「インフラ」とか「イノベーション」「セキュティガバナンス」などの横文字がずらりと並んでいる。
会話する人たちまで「このサーバのキャパシティはどれくらい」とか「このワークのプロセスを教えてほしい」なんて日本語の中に英語が入り混じった会話をしている。答える営業マンまで「当社の考えるソリューションとは」なんて。。。
何とも不思議な光景だ。
なぜ「この機械の容量はどれくらい」とか「この仕事の過程を教えてほしい」「解決方法は○○」と言えないのだろうか。どうもシステム屋は難しい言葉を逢えて使っている気がする。自分もシステム屋のくせにそんなことを思い、「難しい言葉は使えばいいってもんじゃない。ユーザにいかにわかりやすく伝える方が大切だ」と心の中でつぶやいた。
でも、よく考えるとそんな言葉の中にもユーザという横文字が入っているのだから我ながら恥ずかしい。
いくつかの専門的なセミナーが開かれていたが、私はあまり技術論には興味がなかったので、イオングループの創業者岡田卓也さんの「大黒柱には車をつけよ」〜私が歩んだ60年〜というセミナーに参加した。
正直特別に面白かったわけではないが、企業が生む価値は収益や規模だけではない。目に見えない価値をどう作るかが大切という言葉は勉強になった。
彼はそれを「のれん」という言葉で説明していたが、一般的には「社会的信頼」、私のところに置き換えると「ブランド力」ということになろう。
ちなみに表題の「大黒柱には車をつけよ」とは7代続いた岡田家の家訓で、大黒柱に車をつけるように企業の骨格となる部分も既成概念にとらわれず、環境の変化に応対しなければならないという意味だそうだ。
社名を岡田屋からジャスコ、イオンに変え、百貨店からGMS、郊外型スーパーセンターへと会社を変えて言った岡田氏のいうことだけに説得力がある。「企業の規模は大きくなればなるおど、変化に対応できなくなる。小さくて身軽な企業ほど変化に対応できる。変化に対応するために私はM&Aを続けてきた」という彼の言葉が印象に残った。
帰りに同会場にある相田みつを美術館により、夜長野に戻った。ちょっと疲れた。
明日はその相田みつをさんの詩を紹介したい。
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