奇跡の動物園〜旭山動物園〜を見て

「いのちってあったかいだろう」高校を卒業し公務員となり動物園に配属され泉(戸田恵梨香)に坂内(山口智充)が優しくそう声をかける。
とても心温まるそして動物たちから元気と勇気をもらえる番組だった。
「動物園とは命の平等をみせるところなんだよ。」
寒暖差50度。年間経費4億円。入場者数が減り、存続が危ぶまれた動物園が、“命”そのものを伝える場所でありたいと思うスタッフたちの熱い想いが旭川動物園を変えていく、そんな飼育員たちの物語をドキュメントタッチで感動的に描いている。
「でかい鳥かごを作って、人間がその中に入るのはどうだろう」
理想の動物園とはどんな場所なのか、飼育員たちは夢を語り合いスケッチにまとめていった。こうした話を聞いているだけでも頬が熱くなる。
「おまえの仕事だ。」
オランウータンのゴンタが倒れたとき園長(津川雅彦)が坂内(山口智充)に言う言葉は飼育係の仕事の重さとプライドを物語っている。
だがゴンタは謎の伝染病エキノコックスで死亡した。誰もいなくなった檻の中で一人すすりなく牧原さん(伊東四郎)の姿がとても印象的だった。
「坂内、覚えとけ。動物園って所は長く勤めれば勤めるほど辛い所なんだ。」
「夢もスケッチも捨てなくてよかったな。」
子供牧場から始まった旭川動物園の改革は、巨大な鳥かごの中にお客が入る、頭上に檻が張り出した猛獣館、空を飛ぶように、華麗に水中を泳ぎまわるペンギン館やアザラシ館の
マリンウェイ、獲物を狙うホッキョクグマが、観客めがけて豪快にダイブする施設へと変わっていく。
「あいつは人一倍寂しがり屋だからな。」
動物の気持ちがわかる人は寂しがり屋なのか(笑)
ペンギン館を作るために苦労した井村さん(酒井敏也)と坂内さんの熱い思い。自分を忘れてこうして仕事に熱中しているときは楽しいんだろうな♪
アザラシを見せるためスイミングスクールに通う中川さん(小出恵介)もいい。
「ここの動物たちはいつきても生き生きしてるでしょ。うちの人が言ってました『ここにいると生きてて良かったなあと思う』って」
身近なところにスターがいるんだよ。
シンプルだけど真をついた人生訓。この番組とってもよかった。
上野動物園を抜いて来園者日本一の動物園


旭山動物園を歩くと、赤と青の2色の小さなパネルがある。手書きで記され、動物達のオリの前にちょこんと、ぶら下がっている。
赤いパネルは、新しい生命の誕生や新たに来園した動物たち、青いパネルは、死んだ動物たちの情報が書き込まれている。
動物と飼育員たちの真剣勝負の物語をみて、旭山動物園は遠くていかれないけれど、また近くの動物園に行きたくなった。

キャスト
坂内禅(主人公):山口智充
泉佐和子(新人飼育員):戸田恵梨香
中川新一(飼育員):小出恵介
矢部裕司(飼育員):利重剛
佐々木征也(飼育員):荒川良々
井村一葉(建設会社社員):酒井敏也
小山かりん:山内菜々
猿にメロンの客:伊藤正之
河内市長:綿引勝彦
黒川仁良(議員):國村隼
牧原優一郎(飼育員):伊東四朗
小野勇夫(園長):津川雅彦