加賀百万石！伝統と文化の石川県　後編 - ★絵本のチカラ♪　さくちゃんのつれづれ日記★

（前回までのあらすじ）

輪島塗、久谷焼、加賀友禅などの伝統工芸、兼六園、武家屋敷跡、千里浜などが有名である。
石川出身の有名人には松井秀喜、道場六三郎、鹿賀丈史、塩谷瞬、田中美里らがいる。また竹内結子と藤木直人の「あすか」や中居正広の「砂の器」に出てくる。
能登と加賀では若干県民性が違う。

金沢は「謡が空から降ってくる町」といわれる。
これは植木職人や瓦葺き職人までが謡曲のたしなみを持っているほど層が厚いという意味で、加賀百万石文化が庶民にまで浸透していることを意味する。
確かに石川県は、日展入選者数は３年連続全国1位で、その数は100万当りに換算すると313．9人となり、全国平均の5倍以上もある。
文化勲章受賞者も東京、京都に次いで全国で3番目に多く、勧進帳などの歌舞伎やお能やお茶、輪島塗や久谷焼き、加賀友禅、蒔絵など全国的にみてもハイレベルな美術工芸品や文化の宝庫である。
「加賀は天下の書府なり」
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これは、かつて、加賀前田家が政治軍事面で徳川家に屈したが、文化面では負けまいと「文化」を藩の政策として推奨したからでもある。
だから、加賀百万石文化はある意味で上からの「押しつけ」文化であり、優雅で美しいが、どこか堅苦しく感じる。
ここでは江戸や大阪と違い文化・政治の担い手が武士だった。
そのせいか現在もお上（役人）意識が強いのが石川県の特徴である。
大阪が反体制、反役人といって庶民の文化が育ったのとは対象的である。
石川県人はこのように昔から「お上」の言うことには文句を言わず従ってきた。お上（＝役人）の主張には、自分が主張したいことがあっても、不利になってはいけないので、黙って耐え忍んで聞いてきた。
だから、石川県人は一見おっとりしていて従順なように見えるが、内面には北陸人らしい辛抱強さと強固なプライドを持っている。
北陸の雄と自負し、「富山、福井と一緒にしないで」的な高いプライドを持ち、決して人を騙したり、おとしめたりはしないが、他人にないがしろにされることを許せない、そんな芯の強さを持っている。
また石川県は生活レベルも高く、三井トラスト・ホールディングスの行った財務指標調査では１世帯当りの実収入は富山、福島に次いで全国第３位、預貯金額も上位にランクされる。一人当りの部屋の広さは富山県に次いで全国第２位であり、進学率も富山と並んで全国トップクラスだという。
石川県民は全体的に大変な勉強家でリッチという見方も出来る。
こんな県民性を矢野新一さんの県民性ワールドでは、「能登には努力家タイプ、小松など南部はど根性タイプが多い」と呼んでいる。
また、石川県は、日照率の低い日本海側気候であり雨が多いのも特徴だ。
「弁当忘れても傘忘れるな」
というように過去３０年間の年間平均降雨日は180.9日。
なんと２日に１日は雨が降っていることになる。
湿気も多いため、押入内部に木片を打ち付け空気の流れを良くするとか、上下通気口がついたふすまなど建物様式には金沢仕様というものがあるらしい。
一般家庭でのふとん乾燥機の普及率も64.8％と高い。
こんな石川県人と付き合うにはその伝統と文化を尊重してあげよう。
彼らは一見、人当たりがよく、優しく包容力があり、何でも受入れてもらえそうだが、実は郷土愛が強く自県にプライドを持ち、変化が少ない生活を好む。
基本的に「いい人」なので彼らは争いごとを好まないが、年配者は他県から来たものを「遠所者（えんじょもの）」と呼ぶなど、なかなか排他的なところもある。
口数が少ないからといって、自分の主張や文化を押し付けるのではなく、加賀百万石の落ち着いた伝統的文化に浸って一緒に堪能しよう。
金箔入り日本酒、金箔入りお茶、金箔入り化粧水、金箔貼りの茶室、、
なかには金箔貼りトイレなどというものもあるが、とにかく金箔が好きだから金箔のことは褒めてみよう。
彼らにとって金箔はふりかけと同様トッピングして食べるものでもある。
出された珈琲に金箔がかかっていたからといって、眉間に皺など寄せず、
「優雅ですね」といってにこやかに頂こう。
森前首相はあまり人気がないが、松井秀喜は石川のヒーローである。
だから「なんでＷＢＣ辞退した」などと陰口を言ってはいけない。
当然、甲子園で明徳義塾高校を応援することもタブーである。*1
北陸の雄としてのプライドもあるので、間違っても北陸といえば新潟県 *2などといってはいけない。
「加賀１００万石＝田んぼが多い＝田舎」、一部の長野県人（私のこと？）のように理屈だて、こんな方程式を描いてもいけない。
日本海に面した豊かな自然と加賀１００万石の優雅な文化を持つ石川県。
能登半島は傷心旅行のメッカだから、恋に破れたら恋路海岸を旅するのもいい。
変化や流行に気を配るより、伝統的で住みやすい街に満足している石川県人。彼らと付き合えばきっとあなたも優雅で豪華な石川文化をたしなむことができるだろう。