風林火山の山梨県

其疾如風 其徐如林 侵掠如火 不動如山
「その疾きこと風の如く、その徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し。
風林火山の旗の下、戦国時代最強と呼ばれた騎馬軍を率いて天下一を夢見た武将、武田信玄。彼が信濃国を平定し、越後の長尾影虎(上杉謙信)と戦った川中島の合戦は信州人なら誰でも知っている。
その川中島は私が長野にアパートを借りようとしたとき、義母から「そんな戦争のあったところに住むのはやめなさい」といわれていわく付の場所である。
人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり。
どれだけ城を堅固にしても、人の心が離れてしまったら世を治めることはできない。情けは人をつなぎとめ、結果として国を栄えさせるが、仇を増やせば国は滅びる。彼は人を大事にした戦国の英雄であり今なお私たちの心を惹き付けている。
その信玄公が生まれ育ったのが甲斐の国、山梨県である。
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山梨県といえば富士山、河口湖、本栖湖などの富士五湖忍野八海、青木が原樹海、中央高速で見る甲府盆地の夜景、清里櫛形山のアヤメ、甲斐善光寺富士急ハイランド、食べ物ではぶどう、すもも、巨峰甲州ワイン、ほうとう信玄餅、信玄寿司、甲斐絹、ジュエリー(宝石産業)ヴァンフォーレ甲府などが有名である。
安くておいしいケーキやアイスのお店シャトレーゼ山梨県の企業である。
山梨出身の有名人といえば、政治家金丸信、作家山本周五郎林真理子、歌手森進一サンプラザ中野爆風スランプ)、THEBOOM、「粉雪」で大ブレイクしたレミオロメン田原俊彦、俳優三浦友和柏原崇名古屋章佐野史郎根津甚八、サッカー選手中田英寿、プロレスラージャンボ鶴田、武藤敬司プロ野球元巨人監督堀内恒夫、元フィギア選手佐野稔らが有名である。
山梨県を舞台にした作品には新田二郎の「武田信玄」や林真理子の「葡萄が目にする」中村獅童竹内結子の映画「いま、会いにいきます」菅野美穂のドラマ「愛のうた」木村拓哉小雪の「エンジン」などがある。
「メチャカモン」
様々な県民性の本によれば、山梨県人を一言であらわすとこの言葉になるそうだ。金にうるさく、執念深く、負けず嫌いを意味する。
農作物があまり育たない厳しい自然環境に育ったせいか、山梨県人は東北的な粘り強さがある。ただ、東北との違いは、じっと黙って我慢するというより、自分の言いたいことははっきり自己主張する点にあるらしい。
甲州商人の通ったあとはペンペン草も生えない」
よく山梨の商売人を近江商人と同様この言葉で表現するが、山梨県人は利にあざとく、「押してだめなら引いてみな」というしたたかさも持っているという。
終戦直後の混乱期、衣料不足の時代、粗悪なメリアス、既製服、さらに伝説ともなった天井抜きの蚊帳を口八丁手八丁で売りさばいたことから(県別性格診断)こう呼ばれるようになったという。
山梨県民にとってはちょっとショッキングな言われ方と思うが、若干、他県からのひがみの部分もあるのだろう。しかし、言い換えれば逆境に強い県民と言える。
全般的に中央志向が強く、情報には敏感で、情報収集力は高いといわれている。
少し古いが1997年郵政省が実施したさまざまな情報を日本語の一単語に相当するワードに換算した「選択可能情報量」調査で山梨県は57億3000ワードで6年連続日本一に輝いている。2000年の調査では住民一人当たり選択可能情報量が山梨県は全国平均の1.6倍あった。東京都の数値が1.5倍というからその高さは相当なものである。
このように山梨県人は情報には敏感である。
(つづく)