21世紀に向けた彩の国 埼玉県

私の大学時代の友人が合併したさいたま市にいる。
彼は銀行員であるが、熱烈な浦和レッズファンである。
彼はなぜか自分の出身を埼玉と言わない。浦和出身という。
これは私が自県のことを信濃といわず信州というのに似ている。
そこには何かコンプレックスがあるように思える。
いろんな県民性の本を読んで閉口したが、埼玉県のことを個性のない県とか東京依存型の県だと、ひどい本にはださいの発祥の地などと書かれている。
真性県民大図鑑に至っては「埼玉県は本当に実在するのか。架空の県ではないか」なんて書いてある。
これは由々しき問題である。
埼玉県民になりかわって埼玉県の県民性について調べてみた。
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埼玉県といえば草加せんべえ秩父焼、雛人形、桐ダンス深谷のねぎ、狭山茶、忠七めし、庄和町の日本一の大凧、高麗川彼岸花ユネスコ村、秩父夜祭り、さいたまスーパーアリーナ長瀞舟下り、西武ドーム西武ライオンズ浦和レッズ大宮アルディージャ、郷土カルタなど挙げていくと結構知られているものが多い。

玉出身の有名人は作家森村誠一、政治家片山さつき、アナウンサー久米宏小宮悦子小島奈津子、将棋の羽生善治
歌手ではアルフィー高見沢俊彦桜井賢、ハウンドドックの大友康平小柳ゆきレベッカNOKKOCHARA吉田美奈子スターダストレビューtrfの SAM、SMAP草磲剛(生まれは愛媛県)、V6の森田剛TOKIO山口達也モーニング娘吉澤ひとみ、タレントの所ジョージ森尾由美遠藤久美子若槻千夏北斗晶。  
俳優の萩原健一反町隆史本木雅弘竹内結子菅野美穂高橋由美子、りょう、藤岡竜也、ミムラ星野真里梶原真弓的場浩司、名子役の神木隆之介
お笑いの爆笑問題大田光、TIMのゴルゴ松本、ビビル大木、ダンカン、だいたひかるアンタッチャブル山崎弘也
プロ野球では元巨人の斎藤雅樹阪神の守護神久保田智之ソフトボール宇津木妙子監督と蒼々たるメンバーである。
また、宮崎駿の名作「となりのトトロ」のトトロの名前の由来は所沢のお化けに由来しているし、春日部市はくれよんしんちゃんの里で有名である。
埼玉を語る上で私がまず触れたいのは浦和レッズの存在である。
真紅の衣装に身をまとい、地鳴りのするような大声で応援するサポーターを見ていると埼玉県のコンプレックスをここで一気に発散させているようにも思える。
その迫力はJリーグ№1、埼玉県民(旧浦和市民)が浦和レッズを愛する気持ちは他のどのチームにも負けない。
サポーターの方で浦和赤まめ日記さんのブログを読んでいて

浦和レッズとは自分の家族である。家族なので、浦和レッズに起こるすべてのことが気になり、レッズに所属していた選手が移籍したりすると嫁にやるような気分になり、移籍先での活躍を願ったりすします。引退するときも第2の人生が素晴らしいものになるように願います。家族なのでJ2に落ちても自分のことだし、優勝しても自分のことでした」
と書いてあって感動した。
出来の悪い子ほど可愛い。私が阪神タイガースを愛する理由と同じではないか。
こういう方のレッズを愛する気持ちを読んでいると、埼玉県人は純粋で朗らかであることがうかがえる。
かつて、埼玉県は源義経が寵愛した静御前が住まわれてた自然豊かな土地であり、永い歴史の中で主だった戦や自然災害もない珍しい県である。
利根川や荒川、江戸川などの豊かな水系、そして関東ローム層で育った野菜やお米が古き時代から江戸(東京)に豊かな恩恵をもたらしてきた。
埼玉の県民性は、恵まれた土地で争う必要もなく生きてきたおかげで、何か突出した特徴はないが、健全で着実、朗らかなである。
意外にノーテンキな人が多く、多少金銭感覚には欠け浪費家的ところもあるが、温和でマイペース、のんびり屋が人が多いそうである。
一部の若い世代では東京へのコンプレックスを抱いている。
廃藩置県の時に荒川を境に埼玉県と入間県に分かれた経過から浦和と川越では若干文化が違うともいわれている。
埼玉県のもうひとつの特徴は人口の多さである。
埼玉県のホームページによれば、人口700万人は東京、大阪、神奈川、愛知に次いで5位であり、人口増加率は昭和62年から平成5年まで5年連続全国1位である。
人口だけで見ればフィンランドデンマークより多くスイスの人口にほぼ匹敵し、それだけでひとつの国家といえる。
もっとも埼玉県は東京からの転入者が多く、東京の副都心化しつつあり、このことが県民性がないことや郷土意識は薄れていることにつながっている。
また、平均年齢も39.6歳と若く、全国平均41.4歳を1.8歳も下回り、沖縄県の37.5歳に次いで全国第2番目の若い県である。当然、生産年齢人口(15〜64歳)の割合が72%で全国一高く、老年人口(65歳以上)の割合が13.4%と全国一低い。
埼玉県はこれから伸びゆく県なのである。
埼玉は地味に見られがちだがいろんな作品のモデルとなる文化発祥の地でもある。
あだち充さんの「ラフ」の舞台となった栄泉高校は埼玉の栄高校がモデルだし、山本鈴美香の「エースをねらえ」に出てくる県立西高校は浦和西高校がモデルである。
男のシンクロで一世風靡したウォーターボーイズは埼玉県立川越高校の水泳部が文化祭にはじめて行ったシンクロがモデルである。
埼玉県は47都道府県中もっとも男女別学が多い県であり、青春映画に出てくる高校のモデルになりやすい県でもある。
(つづく)