佐野洋子さんの100万回生きたねこ

ブログはじめて100日。その記念に紹介したい作品が佐野洋子さんの100万回生きたねこである。
この作品はいろんな感情がいりまじり、すべて理解するには子どもには少し難しいかもしれない。裏を返せば大人が感じる絵本である。
100万年死なないねこがいた。
ねこはいろんな飼い主の元で何回も死んでしまうが、それでもネコはまた生き返ってくる。だからねこは飼い主に愛情を持たない。
そんなねこが白いねこに本当に恋をする。結婚し、子どももできる。
はじめてねこは白いネコといつまでもいっしょに生きたいと思う。
でも、ある日、白いネコは寿命で死んでしまう。
そのとき百万年生きたネコは。。。
佐野洋子さんの叙情的絵が私の想像力を刺激し、まるで劇場でミュージカルや演劇をみているように自然とネコに感情移入してしまう作品である。
愛するものを失い大声で泣くネコの姿が、前半部分、自分の感情を押し殺して生きてきたネコの姿と重なり合い、とても切なく、そして悲しく心に刻まれる。
最後のページの佐野さんの書いた1行が作品に余韻を残し、この作品を一層叙情的にしている。