小さな嫉妬

sakurasaku20052006-02-15

朝、長野は霧が出ていたが、今はすっかり晴れている。
春を感じさせる柔らかい日差しは、見るものすべてに平等に降り注ぎ、世の中すべてに人に祝福をもたらすように微笑みかけている。
そんな中、私は一人パソコンに向かい仕事をしていてやっと昼休みになった。
今日は小さな嫉妬について話をしたい。
斎藤茂太さんは「人間関係が面白くなる本」の中で、人間誰しも小さな悪魔が心の中に潜んでいる。その一番の候補が「小さな嫉妬」であるといっている。
例えば、他人の仕事がうまくいったとき、そこに小さな嫉妬が生まれる。
大人は感情を素直に表現できないので、表面上は「やあ、やったね」と相手の成功をたたえる。でも心の中で自分でも気づかない小さな嫉妬がチロチロと燃えているから、
「とても良く出来てるよ。でもこの色がちょっとヘンだね」とか
「こういう点を付け加えたらもっとよかったのに」
と非常に婉曲的な形でケチをつける。
こう表現された相手は成果を褒めて欲しいのに逆に批判されたように感じ、そこにまた「あんなこといって」と新たな嫌悪が生まれる。
こうしたことの積み重ねが人間関係の不協和音を生んでいくのだと。
小さな嫉妬。確かに私の中にも小さな嫉妬は潜んでいる。
まだ私は人間が出来ていないので他人を羨ましく思うことはいくつもある。
例えば、こうして仕事していると窓際族になったようで、同期がバリバリ仕事をこなしていれば「自分は何をやっているのだろう」と思うし、我家には子供がいないから、話題の中心が子育てになったりするとついていけない自分もいる。
でも、それは仕方のないこと。
裏を返せば気づかないうちに自分も他人から小さな嫉妬を受けているのかもしれない。
世の中に本当に悪い人はそれほどいない。
にもかかわらず、人間社会は寄ると触るとトラブルばかり。
その理由は他人の成功を素直に喜べない小さな嫉妬があるからなのか。
私のはまだ小さな嫉妬で可愛いものだが、怖いのは小さな嫉妬はときとして大きな憎悪を生むということである。女王のように美しく悪魔のように残酷な白夜行*1の雪穂のように。
他人と比較しても仕方ないのに他人と比較してしまうとき。ありのままの自分を素直に受入れられないとき、そんなとき相田みつを先生のこの詩を思い出す。
どうでもいいものは
どうでもいいんだよ
いちばん 大事なことに
一番大事な いのちを かけてゆくことだ

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人間関係が面白くなる本

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*1:東野圭吾原作、山田孝之綾瀬はるか主演木曜9時からの番組