百夜行 18歳の亮司と雪穂(第3話の感想)

「ありがとう、亮、最高の卒業祝いだよ。」
俺たちは18歳だった。
僕は♪今どこにいるのだろう♪。
柴咲コウさんの切ない歌声とともにエンドロールが流れた。
昨夜、秦建日子さん原作、山田孝之君と綾瀬はるかさん主演の百夜行を見た。
まず率直な感想はやっと秦さんらしいドラマになってきたということだ。
綾瀬はるかさんの演技は少し見直した。
教会でのガラスを割るシーンは迫力があったし、笹垣刑事とのやりとり、亮司への台詞は本当は何を考えているかわからない怖い女の雰囲気が出てきた。
「亮君にとってはそういう7年間だったのね」
表情を隠しながらも、皮肉めいて言うこの言葉は印象に残った。
「皮肉な話ですね。被害者の息子と加害者の娘が同じ本が好きだなんて。」
笹垣(武田鉄也)に平然と話す顔には怖さがあった。
冒頭の言葉をとっても、自分のために死亡診断書まで偽造して姿を消そうという亮司に、「最高の卒業祝いだよ」という言葉には戦慄が走る。
「その日を最後に、俺は良心を捨てた。すべてを0にした。」
山田孝之君が罪の意識にさいなまれる弱気な少年から雪穂のために罪を乗り越え逞しい青年へ変貌していく演技もよかった。
「これじゃ、罪の上塗りじゃねぇか。」
「俺、好きな女になにしてるんだろう。」
強気と弱気、暴力性と優しさが交互する彼の表情には味がある。
白夜行いよいよ面白くなってきた。
山田孝之君と綾瀬はるかさんにとって新境地を開く作品になること期待したい。