阿波踊りの国 徳島県の場合

前がやうぉて(柔らかくて)裏がつめたい。
京都の他にももうひとつ2面性を持つ県があるという。
「踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃ損々」
阿波踊りの国、徳島県である。
阿波踊りは踊らないと楽しくありませんから」といわれ、ホテルのロビーで笛、鉦、三味線、太鼓の音をバックに宿泊客である私も一緒になって手のひらをかえして踊らされた。
徳島県にはそんなほろ苦い思い出がある。
徳島といえばこの阿波踊りのほかにも、鳴門大橋、鳴門の渦潮、わかめ、すだち一太郎ジャストシステム、超贅沢な幻のいちご、佐那河内村産のももいちご、金ちゃんラーメン、日亜化学発光ダイオードなどが浮かぶ。
徳島県出身の有名人では政治家では三木武雄、後藤田正晴、宗教家の瀬戸内寂聴、脚本家鎌田敏夫、漫画家柴門ふみ村生ミオ山上たつひこ、歌手のディックミネ、俳優の哀川翔大杉漣、スポーツ選手では元中日の坂東英二、元巨人の水野雄仁、中日の川上憲伸、ゴルフの尾崎3兄弟らがいる。
徳島県は保守的で身内意識が高い県民性を持つようで、県内出身者を県人、それ以外の出身者を県外人と呼び、日常会話でも区別しているらしい。
県内企業の社長は圧倒的に徳島出身者が多いそうだ。
またお金にしっかりしている人が多く、「世の中金次第。金と力のないものは置いていかれても仕方ない」という風潮があると聞く。
商才にも長けていて一太郎ジャストシステム徳島市)の他にも鳴門市の大塚製薬阿南市日亜化学工業まど個性派企業の本社がある。
四国の中ではそんな県民性を嫉妬して、徳島県人を「ヘラコイ」人(抜け目ないとかずる賢いの意味)と呼ぶそうだ。
私ははじめ「ヘラコイ」といわれても意味がわからず、イスラムのように十戒を重んずる人(ヘブライ)の意味かと思ってしまった(^_^メ)
また、地元志向が高く、地元ネタについていかないと相手にされないらしい。
地元の徳島新聞(通称とくしん)は県内普及率がなんと87%というから驚きだ。
10人のうち9人はこの「とくしん」を読んでいる事になる。
48万部発行し、地元では名高い長野県の信濃毎日新聞(通称しんまい)でさえ、県内普及率は63%しかない。驚異的数値である。
また徳島の文化、阿波踊りを踊るためには「連」というグループに入らなければならず、このしきたりは結構厳しいらしい。
教育熱心で横並び思想が強いのも徳島県の特徴である。
資料は少し古いが1994年に実施した全国の通塾率調査で徳島県は小学生で28%、中学生は60%、小中合わせた通塾率は57.1%で全国1位となっている。
このことは地元のとくしんでも大きく取り上げられ話題になった。
受験戦争がさほど厳しくないのに塾に通う小中学生が多いのは、徳島県人が教育熱心なのと同時に「隣の家が通っているからうちも通わないと」という横並び志向があるからだといわれている。
結果、高川予備校や進学会、エクセルゼミナールなど多数の進学塾が存在し、進学塾の激戦区でもある。
また、人口の割に医師や医療施設の数が多い。
人口10万に当りの医師数は256.3人、歯科医師数は88.1人。いずれも東京に次いで全国第2位の数である。
徳島大学には四国で唯一歯科大学があることや、医学部が古くからあることが理由といわれているが、持病を持っている人には住みやすい県である。
一方で、下水道普及率は全国最低であり、ゴミの放置も見受けられ、ゴミや環境問題についてはあまり関心がないようである。
こんな徳島県人と付き合うには、彼らを関西人として扱ってあげるのがよい。
徳島県人は大概、関西や大阪が好きなようで、自らを関西人と思っている節がある。
「徳島は関西ですよね」というのが彼らにとって最大の褒め言葉だそうだ。
ちなみに私は兵庫県民に怒られるが淡路島は徳島県だと思っていた。
彼らはシラフではなかなか本心が聞き出せないので、日新酒類のすだち酢焼酎でも飲みながら、酒席で自分のことを話しながら相手の本心を聞き出そう。
徳島県人の意外な一面が見えてくるかもしれない。
但し、お金に対してはシビアな県民性を持っているようなので、初めから酒代はちゃんと割り勘といっておいた方が良い。奢るつもりなら構わないが、後からは請求しにくく、ご馳走様とさっと帰ってしまうかもしれない。
徳島の県花:すだちの花/県木:山桃/県鳥: シラサギ
阿波踊りのホームページ