野球拳をあみだした人は

話は飛ぶが「野球するなら、こういう具合にしやしゃんせ♪」で知られる野球拳の創始者は松山の伊予鉄道電気にいた前田伍健という人だ。
大正13年、彼は当時野球部の副監督をしていたが、高松へ遠征し惨敗する。その夜の宴席で選手を元気付けるために即興で作った歌と振り付けが野球拳のはじまりである。
野球拳 この年寄りも 元選手
前田伍健は愛媛では川柳の第1人者としても知られ、昭和29年野球拳の歌がレコード化したときこう詠んだ。彼は本当に多趣味で川柳の他にもたぬきを愛する会を催してみたり、数多くの書画を残している。
 生きのびて 今年も詣でる 椿祭
昭和35年前田伍健逝ったとき「松山から『笑』を失ったような感じだ」彼の友人富田狸通こういって彼の死を悼んだ。彼は私の尊敬する人の一人だ。