フライダディフライの感想

夏に観た映画、フライダディフライがDVD化された。
一介のサラリーマンである鈴木一(堤真一)が娘を傷つけた高校生に復讐するため、在日高校生スンシン(岡田准一)の特訓を受けることになる。
GOで直木賞をとった金城一紀さんの脚本家デビュー作、成島出監督が作った新しいタイプの青春映画という触れ込みであった。
しかし、暑かったせいか、それとも私の頭がボケていたせいか、堤真一岡田准一しか覚えていない。逆にいうとこの二人が印象的だった。
「おっさん、戦い方教えてやるよ」
鈴木一(堤真一)はいい大人なのだが何をやるにも情けない。
スンシン(岡田准一)は高校生とは思えないほど大人で強くかっこいい。
情けないおじさんとかっこいい若者今の世情をあざ笑うかのような構成は良かった。
この二人が特訓により互いに紆余曲折はありながらも世代の壁を越え友情が深まっていく。鈴木が強いタフなおじさんに変貌していく姿はかっこよい。
私も情けないおじさんの部類に入るが、鈴木の一生懸命な姿は好感が持てた。
特に帰り道バスに乗らずに家まで走って帰るシーンが印象に残っている。
堤真一は走る姿が似合う俳優だ。
フジテレビの六本木ヒルズ族を扱った「恋に落ちたら」の社長役のようなかっこいい堤真一も良いが、私は松嶋菜々子と競演した「やまとなでしこ」の魚屋のような情けないけど純朴で真摯な堤真一が好きだ。
そういう意味では楽しめる作品である。但し、私にとっては「感動した」というより「流れるように終わった」という作品だった。