交渉人 真下正義の感想

オダギリジョーって最近人気なのかな。」
「そうだよ。でも彼ね、昔は水野美紀と付き合っていたらしいけど、今、香椎由宇と付き合っているって噂だよ」
「???香椎由宇って誰だ?」
「ほら、山田孝之君のウォーターボーイズで宮路真緒の友達で花村響子役で出ていた。」
「あー、映画リンダリンダリンダでバンドのリーダー役の娘ね。」
「ところで水野美紀ってどんな人だっけ。」
「ほら、昔、化粧品のCMに出ていた。」
「えっと(・_・。))」
「ユースケサンタマリアの恋人役で映画に出ていた人よ。」
「あー、映画、交渉人真下正義で雪乃さんを演じていた人ね。」
二人の会話は噛み合っているようで噛み合っていない。故に微妙なバランスで成り立っている。その会話で5月に見た交渉人真下正義を思い出した。

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この作品は丁度、今のようなクリスマスの時期に見た方がしっくりくる映画だ。
踊る大走査線シリーズの本広克行監督は脇役の使い方が本当にうまい。
この作品で柄の悪い警視役で出ている木島丈一郎寺島進)のファンになった人は多いはずだ。私は青島刑事はいつ出てくるのだろうと期待してみていたのだが、真下正義ユースケ・サンタマリア)と木島警視(寺島進)の会話を聞いているうちにそんなことはどうでもよくなった。
彼を主人公にした逃亡者木島丈一郎という作品もあり、先週テレビで公開された。初回限定のDVDにはこの作品もついている。

ストーリー

レイボーブリッジの事件から1年たったクリスマス・イブ。
警視庁初の交渉人(ネゴシエーター)となった交渉課準備室課長の真下正義ユースケ・サンタマリア)は柏木雪乃(水野美紀)とデートするはずだったが、突然、室井慎次管理官(柳葉敏郎)に呼び出される。何者かにTTR*1の最新鋭実験車両がのっとられたというのだ。

鉄道好きにはたまらない?

私は鉄道マニアではないので鉄道の詳しいことは知らない。
だが子供の頃、鉄道おもちゃで遊べなかったせいか、ストーリーの中に出てくる鉄道用語に興味がそそられた。
フリーゲージトレイン*2や線引き屋*3やダンパ*4って言葉に妙に惹かれてしまう。わき線*5なんて本当にあったらと考えるとゾクゾクする。

印象に残ったシーン

この物語は通じて脇役が光っている。
その中で印象に残ったのは真下課長(ユースケ・サンタマリア)と木島警視(寺島進)の会話のやりとりである。
「ばかやろう、いつまでタラタラやってるんだよ」
「木島さんはなぜそうわかったんですか」
「あ^^ん、勘だよ、勘」
こんな会話がすきだ。
また真下課長とTTR総合指令室長(國村隼)の会話。
クリスマスイブに同じコンサートチケットを持っているのをみて、
「誰といくんですか」
「お母様とだよ。。。。」
やはり踊る大走査線シリーズは主人公を取り巻く脇役との会話が面白い。
また、SWATの中部隊長、高杉亘や爆弾処理班の松重豊、そして線引き屋の金田龍之介などベテラン俳優がとても良い味を出している。
指揮者役の西村雅彦もその表情がすきだ。
駅員として数カットだが電車男伊藤淳史君が出ていたことも見逃せない。
ちょっとマニアックなところもあるが、クリスマスの夜、彼女と二人で見るには面白い作品だと思う。
但し、結果をすぐ求めたがる人や本格ミステリー好きの人にはお薦めできない。

*1:東京トランスポーテーションの略。東京の地下鉄公団みたいなもの

*2:コンピュータ制御でレール幅を自由に変えて走れる夢の電車。日本の地下鉄は軌間(ゲージ)が1.067mm と 1.435mmの2規格あり、フリーゲージトレインはコンピュータ制御でゲージを変えられる。

*3:事故発生などの緊急時に臨時の列車運行図表を書き上げる人の俗称、金田龍之介が熱演していて妙に印象に残った。

*4:緊急避難の車庫代わりに使っている留置線の俗称。

*5:一般の路線図に載っていない線路のこと。映画の中では政治家の緊急脱出や軍事目的に昭和初期から作られていたといっていたが本当にあるかはわからない。