私の頭の中の消しゴムの感想

sakurasaku20052005-11-26

サランへヨ
二人を乗せたジープは山道を風を切りどこまで行くのだろう?
久しぶりに泣ける映画であった。
見終わった後、胸に少し切ない、でも心地よい雫を落として銀幕は閉じた。
この映画は日本でやっていたドラマ「Pure Soul〜君が僕を忘れても〜」Pure Soul ~君が僕を忘れても~ DVD-BOXのリメイク版である。しかしイ・ジュハン監督の見事な脚本とカメラ回しで原作以上の感動を与えてくれる。これが日本映画でないことが残念なくらい印象に残る映画であった。
工事現場監督のチェルス(チョンウソン)と社長令嬢で不倫相手に捨てられ傷心のスジンソン・イェジン)がコンビニで思わぬハプニングから恋に落ちる。
「飲み干したら恋人になる」
「飲み干さなかったら?」
「死ぬまで君とは会わない」
屋台の居酒屋でスジンがコップいっぱいのお酒を一気に飲み干すシーンが艶やかで色っぽく私は好きだ。
やがて二人は結婚し、幸せな家庭を築く。
余談だがスジンのお父さんは私には小林稔侍に見えて少し笑えた。。。
しかし彼らの前に立ちはだかるのはスジンが若年性アルツハイマー病という事実。
肉体的死より精神的死が先に訪れる病。
「私はすべて忘れるわ。私の記憶からあなたも消える。魂も消えるわ。わかる?」
「俺が全部覚えておくよ。俺が君の記憶、君の心に残るから。」
バッティングセンターで二人が抱き合うシーンは涙なくして見れない。
「許すとは心の扉をあけることよ」
捨てられた母に憎しみを持つチェルスに許すように諭すスジン
私はこの言葉にスジンの魅力が込められていると思う。
映画の前半は二人の恋のはじまりから幸せな結婚生活が描かれそこには深刻な闘病生活はない。だがそれ故、後半部分の彼女の病気が進行し記憶がなくなっていく姿に心が打たれる。
この映画は製作者、スタッフの魂が込められていて、記憶に残る映画だ。
私は半落ち(横山秀夫原作佐々部清監督)半落ちも感動したが、この手の夫婦愛を描いた映画には弱い。
サランへヨ
最後の言葉がまた二人の愛のはじまりのように聞こえる。