村上春樹さんの「国境の南、太陽の西」

昨日は立夏。暦の上では夏のはじまりだ♪
GW明けでまだ仕事もブログも助走段階。ということで(どういうことで?)、今日から数回にわけてGW中に読んだ本を紹介したい。第1冊目はさくらさんが好きだという村上春樹さんの作品。
僕はどこまでいっても、僕…。
平凡な日常の中からちょっとお洒落でちょっと不安がのぞかせる彼らしい作品である。
「君が綺麗だからだよ」
「そんなこといったのあなたがはじめてよ」
そんな会話をサラリといえてしまう村上春樹さんの世界にはある種憧れは感じる。だって私には言えないから(笑)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

まあ、いいではありませんか♪甲信越ブログランキング
主人公の僕は一人っ子。小学五年生のとき、同じ一人っ子島本さんという女性に同じ感性を感じ惹かれあう。
小さい頃の淡い思い出。
そして僕は大学を卒業し、8年間の会社勤めをした後、妻と出会った。
義父の協力を得て、青山通りで「ジャズを流れる上品なバー」を2件出し、車はBMW、経営も順調で何一つ不満のない生活を送っている。
だけど、ボクの心は何かに飢え、おびえ、そして彷徨っている。
その彷徨感をうまく表現された作品だと思う。
とても文字数が多くて読みはじめるのに苦労するが、読み出すと一気に読める不思議な作品である。
主人公は幻想と過去の間を彷徨って、自分を見失っていく。
そんなところが現実にもありそうでなさそうなところが怖い話だが、最後はあるべきところに落ち着くのが彼らしい作品だ。
「このままでいいのだろうか」
「何かから解放されたい」

こんなことは誰しも一度は思ったことがあるだろう。だけど、思い悩んでもその答えはみつからない。
今を生きる=行動することでしかわからないし、最後それを決めるのは自分自身なのだ。読んでみて、幻想の世界を描くことで逆にそういう現実を作者は描きたかった気がした。

国境の南、太陽の西にある世界とは・・・・・
ロマンチック好きな人にはやはり村上春樹さんはたまらない作品だと思った(笑)