ハッピーバースデイの感想

あなたはどうしても泣きたくなるときってないだろうか。
たとえば仕事や私生活でとても辛い目にあったとき
たとえばどんなに頑張っても自分のやっていることが認められないとき
たとえば自分がガンだと宣言されたとき
そういうときは思いっきり泣けばいい。悲しい感情は心の中にためない方がいい。青空を見上げて大きな声へ。
そんなときに読んでほしいのがこの「ハッピーバースデイ」だ。

ハッピーバースデー

ハッピーバースデー

まあ、いいではありませんか♪さくちゃんの人気ブログランキング
1997年に児童書として発行された「ハッピーバースディ 命かがやく瞬間」を、大人にも読んで欲しいという多数の声に応えて、文芸書として発刊された。
帯タイトルにあるように純愛小説で泣けないあたたもきっと涙する、一度は魂を癒し、ゆさぶってくれるだろう。
「あなたなんて、生まれてこなきゃよかったのよ」
「消せるのは声だけ?姿も消したらどうなの」
物語は母親に虐待され、声が出せなくなった少女から始まる。
勿論、本書はフィクションであり、テーマも虐待やいじめと明るい話ではない。
ただ、主人公のあすかちゃんや兄の直人君を通して、いろんなことを感じ、学べる本だ。

あすかちゃんの成長を通して、自分の成長を見る人もいるだろうし、父裕治さんや母静代さんを通して、自分を反省する人もいるだろう。そして祖父母の愛情溢れる温かい言葉にきっと癒されるだろう。母静代さんの悲しみまで伝わってきた。

この本を通して、相手の言動には必ず理由があること、人のせいにしない、自分のために生きる強さを学んだ。児童書にこんな作品があったのかと素直に驚いた。
「人は変わるために学ぶんだよね。」あすかちゃんの言葉に魂が揺り動かされた。
涙を誘わせるシーンが「これでもか、これでもか」と波のように次々と責めてくるので、20代の男性の感想にあったように人前で読むのはヤバイ。
だけど、世の中そんな捨てたものじゃない。そう感じさせる本である。
ハーピーバースデイ、あすか」最後の一文を読み終えたとき、あなたは何を思うだろうか?