茂木信太郎先生の「吉野屋」

一読して、ぶっとんだ。
大学の先生がこんな本を書いていいのだろうか(笑)
私を含む、吉野屋ファンに是非読んで欲しい本がこの「吉野屋」
この本には吉野屋の歴史と、吉野屋の牛丼がなぜたくさんの人に支持されているかが、わかりやすく、そして面白く書かれている。
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  • 牛丼が消えた日、そのときの吉野屋
  • アメリカ産牛肉にこだわる理由
  • 牛丼ファンの作り方
  • そして、もうひとつの吉野屋

本書は4編構成になっているが、著者が言う通り、初めから順を追って読んでいくと、物語のようになっていてとても楽しめる。いい構成になっている。
「美味しさには単位がない、定量化もできない」とか、
「私が考えた理由とは何か。実を言うと巷で言われている理由と同じである。な〜んだと嘆息しないで下さい。続きがあります。この理由は一つの理由としてではなく、互いに分かちがたく規定し合っている。再び、な〜んだと嘆息しないで下さい」
など、ユーモアたっぷりの解説が面白い。

吉野家のモットーが「早い、安い、うまい」から「安い、早い、うまい」に変わった理由などは読んでいて楽しかった。

吉野屋がなぜ食券機を置かないか。
券売機を置けば、お客さんは勝手に帰っていきます。その時に店員が「ありがとうございます」と言うチャンスを失ってしまうことを吉野家は実験で悟ったから。茂木先生は鋭い分析だ。
本書にあるように、サービスの基本は「お客様にいかにしてその店のファンになってもらうか」にある。言い換えれば「自分はこの店で特別な扱いをされている」と思わせることだ。
「アタマの特盛り、ツユだく、ネギだくで」
私を含め、吉野屋ファンはマイ・吉野屋牛丼を持っている。そんなコアな吉野屋ファンにとっては面白い1冊。勿論、食に携わる仕事をしている人にはとてもためになる。